駐在妻として海外に行きたいという場合、一番の問題になるのが「旦那さん」ではないでしょうか。
海外勤務をする可能性がある仕事は全体から見ると少なく、さらにその中でも海外に行くことができる人は限られてきます。
そこで、今回は「駐在妻」になりたいという人はどのような人を結婚相手に選べばよいのか、海外赴任をする可能性が高い仕事とその仕事の人と結婚をするリスクについて解説していきます。
もくじ
駐在妻になりたいのであれば旦那選びが大切
駐在をする可能性がある仕事に就いている人を選ぶ
駐在妻になりたいのであれば、「海外赴任の可能性のある仕事をしている旦那」を見つけなければいけません。
では具体的に、どんな仕事が海外赴任する可能性があるのでしょうか。
海外赴任しやすい業種について紹介していきます。
総合商社など商社
駐在妻になれる可能性が高い旦那の職業として一番ともいえるのが「商社マン」です。
大手の総合商社、運輸関係の商社などに勤務している人が該当します。実際に、筆者が海外駐在をしている間にも商社関係に勤めている人と接することは多い傾向があります。
商社であれば海外と日本のパイプをつなぐことが目的で人を派遣しているケースも多く、いろいろな部署で海外勤務があります。
特に海外とものを取引するような部署に勤めているのであれば、海外駐在になる可能性は高いです。
ただし、商社マンの海外赴任は長期間になることが多く、しかも、若いうちは大都市圏ではなく地方都市へ飛ばされることもあります。
また、1回の赴任だけでなく複数回にわたって赴任したり、海外から海外へ転勤する横スライドをしたりする可能性も高いので、それでもついていく覚悟が必要です。
自動車関係などのメーカー企業
日本は人件費が高く、ものづくりに関しては海外を拠点とした方が安いことから自動車会社をはじめとしていろいろなメーカー企業が海外に進出しています。
このメーカー勤務になっている人も海外赴任をする可能性は高いです。特に自動車関係、電化製品関係などの輸送機械や精密機械関係の仕事はより可能性が高いといっても過言ではありません。
メーカー企業の場合、海外に赴任させる人数も多いです。
新しく拠点を作るときなどは立ち上げをするために何十人も日本人を海外赴任させるケースがあるので、ここに選ばれれば駐在妻になることができます。
難点は、どの部署が海外赴任になるのか分かりにくい点です。海外に生産拠点をもっているメーカーであればどこでも海外赴任をするケースがあるわけでなく、会社の方針で海外展開をすると決まった部署の人が派遣となる可能性が高いです。
筆者の旦那もこのパターンに当てはまりますが、最初は海外赴任があるような部署ではありませんでした。
しかし、会社が生産の方式を転換したことによって生産拠点が海外にでき、立ち上げとして赴任したことが駐在妻人生の始まりとなりました。
メーカー企業の赴任傾向としては、生産拠点の場所に行くことが多いので、渡航先は東南アジアや中南米、中国やインドといったところが多いです。
駐在妻生活としてあこがれるようなヨーロッパやアメリカはなかなか行きにくい傾向があります。
国家公務員や地方公務員
国家公務員や地方公務員の人も海外赴任をするケースがあります。
ただし、所属している部署によって大きく違うので、どこに勤務しているのかが重要になります。
国家公務員で海外赴任の可能性が高いのは「外務省勤務」の人です。
外交官と呼ばれている人は、海外で勤務することが前提に仕事をしているような人ばかりなので、定期的に海外赴任があります。
赴任期間は数年から数十年にわたることが多く、長期間日本に帰国できないようなケースもあります。ほかの国家公務員だと警察関係者も希望して、選抜されれば海外の大使館勤務をすることができます。
海外赴任とあまり縁のなさそうな地方公務員の中でも教員は希望して、試験をクリアーすることができれば海外赴任をすることができます。
代表的なケースが、在外教育施設(日本人学校)に勤務している先生で、各都道府県から希望して試験を受け、文部科学省から派遣をされている人が多いです。
ただし、在外教育施設の先生は基本3年勤務になるので、3年程度で帰ってしまいます。
ほかにも、JICA(青年海外協力隊)として日本から派遣されてくる人もいます。
外務省の国家公務員を除けば、基本的に公務員が海外勤務するのは希望制です。
試験をクリアして選抜されなければ赴任することはできませんが、海外への転勤希望のある人と結婚すれば、駐在妻になることも難しくはないです。
外資系企業勤務
少し前まで「海外赴任をしたいのであれば外資系勤務の人と結婚しなさい」という話を聞いた時期もありますが、現在も外資系企業の勤務者であれば海外駐在をする可能性の高い業種と言えます。
近年は外資系企業自体が日本に進出してきており、日本支社での勤務を前提としていたり、日本採用という形で取っていたりするところもあるので確実ではない点は注意しましょう。
外資系企業に勤務している場合、赴任先はある程度絞られてきます。
また、海外の本社勤務を命じられた場合、その国に長く滞在するリスクもあるので注意が必要です。
海外展開している大手企業
突然の海外赴任を命じられる勤務先として多いのが「海外展開している大手企業」です。飲食関係やアパレル関係の仕事に多い傾向があります。
今回のテーマである「駐在妻になりたい」から結婚して赴任する場合ではなく、いきなり転勤の話が舞い込んできたと思ったら「海外赴任だった」というケースの多い例です。
「駐在妻になるつもりはなかったのに」という人も多くいますし、「突然駐在妻になって驚いたけどうれしかった」という人もいます。
中には一度目の海外赴任で駐在妻生活の面白さや楽しさを知ってしまい「もう一度海外に行けないの」と旦那に聞いているという話もよく聞きます。
海外展開をしている大手企業は年々増え続けており、どんな業種でもチャンスはあると言えます。
新型コロナウイルスのまん延に伴って、一時期ほど海外に進出していく企業は少なくなりましたが、コロナ禍の前は飲食、アパレル系の多くの会社が海外に進出をしていました。
それを象徴するように2015年頃はアメリカの大都市に日本の会社が多く出店している状態でした。
したがって海外に支店を出している、またはこれから海外進出をすることを考えているような会社に勤務している人であれば十分に駐在妻になれる可能性はあります。
銀行などの金融関係
昔は海外勤務者が多かったのですが、近年減少傾向にある業種が銀行や証券会社をはじめとした金融関係です。
減少傾向になっている理由は、オンライン化が普及したことによって支店の数を減らしていること、業務効率を上げるため現地の金融機関と提携して人の派遣を減らしていることなどが挙げられます。
筆者が海外赴任をスタートさせたことには、多くの金融関係者を見かけたのですが、最近では大都市部の赴任者名簿でしか見かけないようになってきました。
実際に金融関係に勤めている人に聞いても、近年は海外赴任の人の数を減らしている話なので、仮に金融関係の人と結婚することができたとしても駐在妻になれる可能性は高くありません。
駐在妻になりたい人が考えておくこと
駐在妻になりたいと思って旦那選びをしたとしても、実際になることができるのかどうかは運の要素が強くなります。
また、妻の方も駐在妻とはどんなものであるのかを理解しておく必要があります。
次は、駐在妻になりたい人が心がけておきたいことを紹介します。
駐在の場所は選ぶことができないことが多い
駐在妻にとってみると赴任地は大切です。
駐在妻になりたいという人は、治安の安定しているヨーロッパやアメリカでも大都市のニューヨークやロサンゼルスで住むことに憧れているのではないでしょうか。
環境問題や治安問題のあるような場所には赴任したくないと思っている駐在妻も多いかもしれません。
しかし、ほとんどの場合、旦那は赴任地を選ぶことはできません。
行先は会社に意向によって決まることが多いので、ヨーロッパに行きたいと思っていたのに中国に赴任になったというのも良くある話です。
日本全体の傾向からみると「地域別在留邦人数推移(H28年版)」を見てもアジア地域が約38万人、最大の北米が約49万人という数値が出ています。
駐在員の数に近いものを表している「地域別長期滞在者数推移」を見てもアジア地域が約36万人に対して、北米は約26万人となっています。
つまり、アジア地域への赴任の可能性は高く、北米やヨーロッパに派遣される人の数は年々減少傾向にあります。
妻としては赴任地を選ぶことはできないので、どこに赴任になるのかは旦那の仕事の内容によって決まります。
実は旦那側は、海外赴任をする前の段階から仕事の内容が分かるのでなんとなく赴任地が分かってきます。
会社によっては、海外赴任をする前にその場所とのつなぎ役の仕事を担当することが多いので、なんとなく行先は内示をもらう前に分かってきます。
駐在ではなく単身赴任になるケースも
海外赴任をしそうな仕事をしているからと言って、必ず赴任になるとは限りません。
そもそも海外に人を送る場合には主に3つの方法があります。
- 家族ごと海外赴任
- 旦那だけの単身赴任
- 出張ベースでの赴任
海外赴任というのは、企業側からとってみると巨額な費用負担が生じます。
赴任手当だけでなく引っ越し代、赴任する家族への手当、住宅手当などなどがかかるため、できるだけ企業側としては家族全員での海外赴任は避けたい、または数を減らしたいと考えるのが一般的です。
単身赴任であれば広い居住区間を確保する必要もありませんし、家族の手当てや学費などを補償する必要もありません。これだけでも大幅なコストカットをすることができます。
さらに、ここ数年は新型コロナウイルスの蔓延などもあり、オンラインする仕事環境が整ってきました。そこでオンラインと出張を併用することで海外赴任と同じレベルの価値を見いだそうとしている企業も増えています。
日本企業の多い中国に長期滞在者が少ないのは、出張ベースで仕事をしている人が多いのも影響しています。
上海や北京と言った大都市は家賃が非常に高額で、家族みんなで住むことができるような物件になると月に家賃が30万円以上するような物件ばかりです。
そんなところに、さらに家族手当や引っ越し代などを加算すると企業側の負担額が大きくなります。
そこで、日本から中国は飛行機で1~2時間程度で行くことができる利便性を生かし、毎週出張で中国に行き、週末は日本で過ごすような赴任のさせ方をしている企業も多くあります。
飛行機代はかかりますが、この方が、企業は負担する費用が小さくなるメリットがあります。
このようにいくら海外赴任をする可能性がある可能性を見つけたとしても、一緒に駐在することができるとは限りません。
一度日本を出たらなかなか帰って来られない覚悟をもつ
駐在妻生活ですが、一度海外に出たらなかなか日本に返ってくることはできないという覚悟が必要です。
日本人学校の先生のように3年間と期間が決まった状態で赴任することができるケースはまれです。
前任者の任期が参考になるかもしれませんが、新規の事業を立ち上げるケースでは、「軌道に乗るまで帰国できない」という場合もあります。
筆者の場合も、最初の旦那の赴任話は2年間という話で赴任になりました。
そこでは少し伸びて2年と4カ月で日本に帰ることができましたが、日本に戻った1年後には再赴任を命じられて今に至ります。
一緒に赴任している仲間も「無期限でいってらっしゃい」と送り出された人もいれば、赴任先から別の国へと横スライドしている人もいます。
どんな仕事がどれくらいの任期になるかははっきりとしておらず、駐在妻は自分のライフプランを転勤の辞令に振り回されることになります。
海外赴任で振り回されると日本での生活もままならないことになります。
持ち家を購入したくても、赴任中の管理に困りますし、自家用車も同じです。
駐在妻になるために旦那を探すのであれば、自分のライフプランや結婚後の生活設計が日本で生活をしている奥さんとは、全く違ったものになる可能性が高いと認識しておくべきです。
どうやって相手を探すのか
最後に駐在妻になるための結婚相手をどのように探すのかということについて紹介します。
マッチングアプリで探す方法の解説については他サイトに譲り、本記事ではアプリ以外の出会いについて話をします。
海外駐在の希望をもって結婚相手を探す
駐在妻になりたいのであれば「海外での勤務を考えている人」と繋がっていく必要があります。
仕事としては外務省や自動車会社などの人と結婚すれば、駐在妻になる可能性は増えますが、基本的に本人(旦那)が海外赴任を希望しなければ、海外駐在をすることはできません。
まずは、海外で働いてみたいという意思をもっている人を探しましょう。
これまで私も色々な人と接してきました。
そこで海外志向が強い人には次のような傾向があります。
- ワーキングホリデーなどを利用して海外での勤務経験や留学経験がある
- 学生が終わった後も語学の勉強を続けている
- 海外旅行に行く、海外に関するニュースが情報に興味をもっている
ここに挙げた特徴がある人は、海外赴任を希望する可能性があります。
そして、駐在妻になるには奥さん(妻)のサポートも欠かすことができません。
駐在することができるポジションになるためには本人の努力と家族のサポートが必要になります。
実は、会社によっては海外赴任をするのにあたって奥さんや家族の意向を確認するところもあります。
海外駐在を目指して、結婚した後も二人で協力していくことも大切になります。
実は自分が海外に行って出会うことも多い
駐在妻の中には、日本で出会って結婚をしたのではなく海外で出会って結婚をしたというパターンも多いです。
先ほども書きましたが、海外志向が強い人はワーキングホリデーや留学で海外に出ていることが多いです。このときに奥さんになる人も海外に出ており、そこで出会ったというケースです。
類は友を呼ぶという言葉が表すように海外志向が強い人の周りには、海外志向の強い人が集まってきます。
日本で出会いを探していてもなかなか海外志向の強い人を見つけることはできません。
なぜなら、こうした人は既に海外に出てしまっているからです。そこで駐在妻になりたいのであれば、自分自身も海外に出て行ってみましょう。そこで新しい出会いを見つけることができるかもしれません。
まとめ
ここまで駐在妻になりたい人がどのような人を結婚相手に選べばよいのか紹介してきました。
海外赴任をすることができる業種はある程度限られており、結婚相手となる人の職業も大切ですが、一番大切なのは海外志向をもっている人かどうかです。
どんなに海外赴任になる可能性がある仕事についていても、本人が希望をしなければ駐在をすることができないケースが多いです。
まずは、海外で働いてみたいという希望をもっている人を探しましょう。
そして、このような人は既に海外に出て様々な経験をしている、または海外に出て経験を積むことによって海外で働くことの面白さに気付く人も多いです。
駐在妻になりたいのであれば、自分自身も外に出て行って、出会いを見つけましょう。