駐在妻生活と聞くと、読者の人はどんな生活をイメージしているでしょうか。
専業主婦でセレブ生活と想像する人もいるかもしれませんが、とんでもないです。そんな生活をできるのはごく一部の限られた人たちだけで、実際は大きく異なります。
そこで今回は、そんな駐在妻生活で大変なことを紹介していきます。
読んでいる人は「大変そうだから駐在妻生活は嫌」と思うのではなく、「大変なことを知って、事前に対策を立てておく」という気持ちで読んでいただきたいです。
もくじ
駐在妻になってはじめに大変だと思ったこと
駐在妻になることが決まったら一気にやることが出てきます。
そこで、「赴任前後」と「赴任後しばらくして」の2つに分けて紹介していきます。最後に、乗り越えるためのポイントも紹介するのでぜひ参考にしてください。
出発前にやってくる様々な手続きや準備
海外赴任が決まってすぐに大変になるのが書類の手続きや身辺整理です。
まず、手続き関係でいえば
- 入国するためのビザ(査証)の手配
- パスポートの手配
- 自分(駐在妻)の仕事の手配
- 日本で住んでいる家などの資産の手配
などなどやることがいっぱいです。
筆者も正社員として働いていましたので、旦那と協力しながら進めていきました。特に手続き関係の書類は遅れてしまうと出発の日にも影響を与える可能性があります。
筆者の場合、最初の赴任のとき、赴任を言い渡されてから出発をするまでの期間はおよそ半年でした。
会社によっては1年ほど前から匂わされるような話がある所もあれば、3か月前に赴任を言い渡されるケースもありました。
海外赴任が匂わされている場合には、パスポートの取得や家などの家財をどうするのかということを考えておくとよいです。
基本的には、「できることはできるうちに進めておく」これが大変な準備期間を経験したものからのアドバイスです。
到着後にやってくる生活の立ち上げ
2つ目に大変だと思ったのは「赴任した直後のおよそ1週間」です。
旦那と思い出しても何をしていたのか正直記憶に残っていないぐらい大変だった記憶があります。
- ビザの発給に向けての手配
- 家の中を生活ができるように準備
- さまざまなものの買い出し
このようなことがありました。
筆者の場合、恵まれていたのは
- 居住する家は既に手配されていた
- 既に現地に住んでいる駐在妻がサポートをしてくれた
というバックアップがあったにも関わらず大変でした。
この原因として
- 慣れない海外に到着したという緊張感
- 時差ぼけの状態で生活し始めたことによる疲労感
- 旦那の仕事も始まるのでほぼ家事・育児がワンオペになったこと
このような要因が今思い出すと大変だったと感じる理由です。
引っ越しをして生活の立ち上げをするのは日本国内の引っ越しでも大変なことです。それを海外で行うとなると、大変さは格段に増します。
赴任するときに同じ会社の駐在妻からサポートをしてもらうことができるのはとても大きく、サポートがあったからこそ乗り越えることができたといっても過言ではありません。
翌年に自分たちが、新しく赴任して来る駐在妻をサポートしましたが、このような支援の連携の大切さを実感しました。
周囲に流されるので自分のペースでできない
赴任前後に関わる大変だったことで共通しているのが「周囲に流され自分のペースですすめることができない」という点です。
例えば、ビザ(査証)の発給はスケジュールが予め決められており、領事館での面接も相手側から日時を指定されます。
赴任に向けて予防接種を受ける場合のスケジュールも医師の判断を受けて、期間を決め接種していかなくてはいけません。
赴任後の生活立ち上げにおいても周囲がサポートをしてくれるのはありがたいのですが、サポートに合わせて予定を立てて動く必要があります。
ちょっとゆっくりしたい、自分のペースで物事を進めたいと思ってもなかなか周りが許してくれない状況になるのがこの時期になります。周りに合わせなければいけないということがプレッシャーになることもあります。
駐在し始めてから大変だったこと
次に駐在妻生活が始まってから大変だったことを紹介します。
ここで紹介する話は、赴任後概ね半年から1年を経過する中で大変だったことを紹介していきます。
コミュニケーションをうまく取ることができない
駐在妻となってしばらくしてから大変に感じるようになった1つ目は「コミュニケーションに関すること」です。
特に言語に関することは赴任してしばらくするとだんだん大変になってきました。
「最初から大変なのでは?」と疑問に思った人もいるかもしれませんが、最初のうちは近くの駐在妻がサポートをしてくれたり、買い物に行くにしても一緒についていってくれたりする人がいました。
しかし、半年も経ってくるとこうしたサポートがなくなってきます。
さらに、もう手伝いをしなくても大丈夫という扱い方をされ、どんなことも自分で解決をしなければいけなくなります。
独り立ちと言えばかっこいいですが、一方でやることもだんだん難しくなってくるのが半年を経過した後です。
ビザの延長に関する書類や子どもの進学に関わる手続き、説明会などもこのくらいの時期に開催されました。
日本を出発する前からある程度、語学の勉強を進めてはいたものの、赴任直後は忙しくてあまり勉強をしておらず、そこに難しい文章の書類や説明会の聞き取りなどをしなければいけない状態となりました。
筆者がやってほしいことをうまく伝えることができず、周りに助けてくれる人もいなくなった不安感でとても大変だった記憶があります。
一人でいろいろと取りまわしお金や育児が大変
駐在妻になると決まったときから大変になるだろうと覚悟をしていたことが「一人育児」です。
これはお子さんを連れていく駐在妻は認識しておく必要があります。
日本であれば近くの親族や近所の人にちょっと頼るということも簡単にできますが、駐在の場合には、簡単に頼ることができません。
自分の調子が悪い時、いろいろなことが重なって手がいっぱいになった時などに大変でした。特に、ちょっと頼みにくいことでも引き受けてくれる親族(自分の両親や義両親)のサポートがないのは辛いです。
また、お金の管理も大変です。
旦那の給与は現地の銀行口座に振り込みをされるのですが、このお金を引き出さなければいけません。
筆者が赴任した頃はまだ現金払いが多く、多額の現金を持って歩くのは怖かったですし、1日に引き出し金額の上限があるため、何度も引き出しをしなければいけませんでした。
最近はオンラインバンキングが主流になったので、自宅で金銭管理をすることができるようになりました。
ただ、ここでも現地語を理解してシステム使わないといけないので、初めのころは辞書を片手に操作している状況でした。
人間関係作りが大変
3つ目に大変だったのが「人間関係作り」です。
人間関係作りが大変というのは、これら赴任をしようとしている奥さんであれば、噂ぐらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
「口うるさい奥さんが多い」「マウントをとる奥さんが多い」そんなことを周囲から言われて不安になったり、大変そうだったりとイメージしている人もいると思います。確かに、そんな駐在妻もいますが、そうした人とは深く付き合わなければよいので、そこまで不安になることはありません。
実際に赴任を経験すると大変なのは「0から始める人間関係作り」です。
人間関係を作るときは、知り合いを通してということが多いと思いますが、知り合いが赴任直後はほとんどいません。
まずは、近所の人と思っても日本人じゃないことが多く、なかなか人間関係を作っていくことができない状況です。
人間関係作りのきっかけとなるものは「同じ会社の駐在妻」「子どもの学校の保護者」ですが、子ども連れでない場合には後者の選択肢はなくなってしまいます。
このように赴任直後の一番不安な時期に人間関係ができていないということが一番大変です。
ある程度、現地で生活をしていると少しずつ広がっていきますが、日本での人間関係作りのようにはいかないことを理解しておきましょう。
駐在妻から学ぶ大変さを乗り越えるポイント3つ
ここまで駐在妻生活をするにあたり大変なことを書いてきました。
しかし、これから駐在をする予定の人は心配しないでください。大変と感じるのは未来が読みにくいからということも関係しています。
ここまでの大変な部分を読んでいただき「そうなんだ」と思うだけで現地に行ってからの大変さは軽減されます。
さらに大変さを感じないようにするためにはどうすればよいのか、この先で説明していきます。
物事は計画を立てて進める必要な投資は惜しまない
準備段階の大変さを軽減する方法は「計画を立てて進める」ことと「必要な投資を惜しまない」という点です。
計画を立てるのは、物事を効率よく進めていくことと、余分なことをしないためです。
ビザ(査証)に取得日程、予防接種の日程など時間のかかるものは準備計画に入れて実施しましょう。こうすれば忘れることもなくなります。
周りからいろいろと言われて思いつくままやっていると見落としが生まれます。一度、自分の中で整理して対応していけば周りに流されて、大変になることも少ないです。
また、時間は金で買うというのも大切な考え方です。
例えば、語学の勉強をしようと思って本を購入したとしてもなかなか独学で勉強を進めるのは難しいです。
費用面で見ると独学が一番安く済みますが、効率性を考えれば英会話教室に通ったり、自分の語学力を診断してもらって効率よく能力を高めることができるコーチングを利用したりする方法もあります。
費用は掛かるものの効率よく勉強できる手段を取ったほうが余裕時間を生み出すことができます。
筆者の場合には、出発直前の引っ越しに関しても業者にサポートを依頼して、さらに室内の清掃も業者に助けてもらいました。
必要な投資は惜しまないようにすることも大変さを軽減するポイントです。
言葉はやっぱり大切効率よく言語を学ぶ
2つ目は言語への対策です。
言語の学習は、英会話や英語コーチングを利用してもすぐに身につくものではありません。習得して活用することができるようになる前までは時間がかかります。
現地に行ってから困ったことにならないようにするためにも、海外赴任が決まったら早目に学習を始めましょう。
「海外に行くかも」というのが聞こえてきた段階から勉強を始めてもよいぐらいです。
お金はかかりますが、効率性を考えて教室に通う、コーチングで指導してもらうと上達も速く、学習への意欲も高まります。
また、現地に行ってからも学びは継続したほうが良いです。
海外赴任後も家庭教師を付けたり、現地の英会話スクールに通ったりすることも可能です。
現地に行ってからのコミュニケーション、人間関係作りに役立つと思って早目に学習を始めるようにしましょう。
人間関係作りは周囲への配慮を考え日本とは違うことを意識
海外での人間関係づくりで失敗するのは「独断で動いで周りに迷惑をかける」というケースです。海外では日本と同じように行動しにくいです。
そこへ旅行気分の行動をしていると周りから反感を買います。
また、日本以上に人と人の結びつきが強いので、個人のプライバシーの部分まで入り込みやすくなります。
その分、守秘義務も生まれますし、自分が行動するときには周りへの配慮もしなければいけません。(例えば年収格差が大きいので、旅行に行くような話題はみんながいる場では慎むなど)
人間関係が初めのうちは希薄で不安になり、いろいろと行動したくなるかもしれませんが、焦らず人間関係を構築していくことが大切です。
まとめ
駐在妻の大変なことについてまとめました。駐在するとなると準備がとても大変です。
ただ、先に何が大変なのかを知っておくと気が楽になります。
初めての赴任の場合には先を読むことができないことが大きな不安感につながります。
この記事を読んで、どんなことが大変になるのか、事前にどんなことを知っておけばよいのかということに気づいてもらえれば幸いです。