気になる駐在員の給与は?どれぐらいもらえるの?税金は?

気になる駐在員の給与は?どれぐらいもらえるの?税金は?

海外赴任をする人にとって、どうしても気になるのが給与事情ではないでしょうか。

海外赴任すると「給与が高くなる」「たくさんもらえる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。

そこで駐在員の給与事情について紹介します。

駐在員の給与の仕組み

駐在員の給与の仕組み

駐在員の給与構造は会社によってかなり違います。そこでまずは仕組みについて紹介していきます。

駐在員の給与構造

駐在する人の給与は、会社によって異なりますが、おおよそ3つに分けることができます。

〔海外用給与形態型〕

海外に駐在する職員を多く抱えている企業では、それぞれの国に応じて国内給与とは別の給与表を設定しています。

そのため、海外赴任となると国内で使っていた給与とは別の給与方式になって支払いを受けることになります。

一般的に国内給与の1.5倍程度に設定されていることが多く、海外赴任に伴う生活水準の保証として高めになります。

国内の1.5倍はうれしい!

〔購買力補償方式〕

世界各地に拠点を構えるようなグローバル企業でない場合は、国内の給与を元に海外での給与を決める購買力補償方式というやり方を採用しているところもあります。

これは、赴任する国の物価指数や通貨レートの変動に合わせて給与を算定する方式で、国内給与に現地の物価指数を掛け合わせ、さらに為替の変動を考慮して、日本国内で生活をしているのとほぼ同じ消費になるよう算出します。

物価や為替の変動に対応しやすく同じ国の中でも物価が違うような場合(例えばアメリカのニューヨークとテキサスのようなケース)でも対応しやすい特徴があります。

物価の高い国は給与が上がる、物価の低い国だと下がるってことね

〔手当上乗せ方式〕

海外に赴任している公務員や海外赴任が頻繁に起こらないような企業で採用している方式です。

日本国内の給与はそのままにして置き、そこに「赴任手当」という形で上乗せをしていきます。

上乗せされる金額は赴任する国の物価や為替レートによって算出されています。

ただし、この方式は「手当」という形で出ているので、国内に持ち込むと所得とみなされてしまいます。

国内の給与に対しては所得税が加算されていますが、手当として渡された部分を残して国内に持ち込むと追加で給与として申告する必要があるので、税金の算定がやや難しくなります。

海外に赴任している公務員はこの形が多いよ

このように海外赴任中の給与は会社によって算定基準が異なるので、自分の会社がどのような形で支払っているのかを確認することが大切です。

駐在員の給与相場

駐在員の給与というのはどのように決まっているのでしょうか。実は国内の給与よりも算定の基準が非常に難しく、給与の付与方法も複雑になっています。特に「為替相場」「物価の違い」といったものを大きく受けてしまう傾向があります。

まず、国内との大きな違いは「海外での相場との一致」です。例えば、国内で「係長」の役職にあれば、会社としては同じぐらいの規模の会社で「係長がいくらぐらいもらっているのか」という相場をもとに算定してきます。

しかし、海外での給与となるとこれではいけません。海外の同規模の企業と比較する必要が出てきます。

そして、同じような規模の会社で同じような役職であればいくらもらうことができているのかを算定に含めます。

これは、物価にも関係するため、算定が上昇するケースもあれば下がるケースもあります。このように同じ国に生活をしている人と給与水準を合わせるということはよくあることです。

外交官もどの国の外交官も同じような金額になるよう調整されています。これは給与の差があると、それを不満に思い機密情報を売ったり、立場を利用して悪事をはたらいたりする可能性があるためです。

もう1つが海外独特の事情で「日本国内での生活と同じ水準を維持させる」とうバイアスが給与にもはたらきます。

例えば、お子さんがいる場合、日本で公立学校に通います。

しかし、海外で日本と同じ教育を保証しようと思うと日本人学校に通わせる必要があります。

日本人学校は私立学校のため学費が日本の数倍かかります。

しかし、企業としてはこの学習を保証しなければいけません。したがって給与には日本人学校に通わせることができるだけの費用を上乗せすることになります。

ほかにも現地の食材を買えば安く済むかもしれませんが、安全面、日本と同じような環境を維持するために給与に上乗せする必要があります。こうした事情から、日本よりももらうことができる給与が多くなる事象が発生します。

日本での暮らしと同等なものを保証してくれるのはうれしいな

企業によって支給方法が異なる

駐在員の給与の支払い方法も会社によって異なります。

これは後にも述べる税金ともかかわってきます。

給与の支給方法としては大きく2種類あり

  • 全額現地の銀行口座へ振り込みをする
  • 現地の銀行口座と日本の口座に分けることができる。

この2つに分かれます。

支給方法の違いは受給者にもメリットとデメリットがあります。

1の方法は大手の企業などで採用しているところが多い方式です。

企業としては一括で振り込むことができるので振込手数料を抑えることができます。

また、給与をもらう側も全額口座に振り込みをしてもらうことができるので、総額が分かりやすいです。一方で、デメリットもあります。

まず、現地の銀行口座を開設するまで給与の振り込みをしてもらうことができません。

現地の銀行口座は、ビザ(査証)がないと開設できないことも多いので、どうしても生活立ち上げのときのお金が不足しやすくなります。

また、日本で利用していたクレジットカードなど引き落としがあるものの口座を変更しなければいけないので手間ですし、簡単に海外の銀行口座をカードの引き落とし口座にすることができません。

2つ目の方法は、利用者のメリットが大きく、2つの口座にお金が入ってくるので、日本の口座を生かしつつ、現地の生活費は現地の口座から出すことができます。

日本で支払い設定してあるクレジットカードをそのまま利用できますし、住民税の支払いもそのまましていくことが可能です。

デメリットは企業にとってみると2つの口座に振り込みをしなければいけなくなるので送金の手数料が発生します。

また、給与を受ける人も現地の口座の手持ちが少なくなった場合に、海外送金をする必要が生まれるため、手間と手数料が発生します。

場合によっては為替の変動を受ける

給与はある程度大きな金額を受けることになるので常に為替相場の変動リスクがあります。

我が家の場合、旦那の給与は日本円で算定されており、それをアメリカドルで現地の銀行口座に振り込まれる方式でした。

そして、指定した金額は日本の口座に振り込んでもらうことが可能な給与体系です。

すると、ある年に1ドルが100円ぐらいだったものが120円ぐらいまで円安になりました。

これは日本円で給与をもらっている人にとっては大きなマイナスで振り込まれるドルが減っていきます。こうした為替による変動リスクを避けるために最初からアメリカ・ドル建てで給与を算定している会社もあります。

その場合、米ドルの受け取る金額は為替が変動しても変わりません。

メキシコに赴任しているときには日本円で計算された給与がドル建てでアメリカの銀行口座に振り込まれ、さらにそのお金をメキシコのATMでメキシコ・ペソに交換して引き出していました。

2つの為替レートをはさむので、変動が大きく、同じ元金でもペソまで換金すると大きく増えるときと減るときがありました。

2回も換金しないといけないのは面倒だし、為替で変わるのはややこしいね…

米ドルやユーロは比較的安全ですが、通貨価値の信用が低い国の通貨で全額給与をもらうのはリスクがあります。

そこで駐在をしている人の多くは、安定している米ドルやユーロの状態で口座にためておき、そこから必要な金額だけ現地通貨に換金している人が多いです。

駐在員の税金の仕組みは

駐在員の税金の仕組みは

給与の話を知っておくのであれば、同時に税金の話も知っておく必要があります。

日本で給与をもらっているときは、勝手に所得税や住民税が引き落としされていくので、そこまで気にしている人はいないと思います。

海外に赴任すれば、日本の居住者ではなくなるので「非課税」と思っている人もいるかもしれませんがこれは大きな間違いです。

また、現地で得た所得に対しても説明ができないと大きなトラブルになる可能性があるので基本的な仕組みを知っておきましょう。

海外でもらう給与への税金

はじめに海外でもらう給与に関して税金がかかるのかどうかは「居住者」になるのか「非居住者」になるのかによって変わります。

海外に赴任する期間が1年未満であることが事前にわかっている場合、国内の給与に対してかかっていた所得税はそのまま適用されます。

しかし、海外に赴任する期間が1年以上になる場合には、非居住者という扱いとなり、国外勤務で得た給与に対して日本の所得税は加算されません

住民税は、毎年1月1日に居住実績があるかどうかで決まり、1月1日に日本にいなかった(住民票がない)場合には、その年の6月から1年間住民税を支払う義務がなくなります。したがって、海外に赴任する際に、日本の給与とほぼ同額の給与を得ていたのであれば、所得税の支払い義務がなくなるので手取りはアップします。

また、補足ですが、本来年末に行う年末調整を出発前にすれば、それまで支払った税金の一部を戻すことも可能です。

一方で税金に関しては注意をしなければいけないのが帰国をするときです。

例えば、給与のすべてを海外の口座で受け取っており、赴任中に貯蓄をすることができたので、それを日本の銀行口座に送金したとします。するとこの収入に関しては確定申告をするようにした方が良いです。

100万円以上の海外から日本の口座に対する送金は、金融機関が税務署に対して「国外送金等調書」というものを作成します。

そのため、送金が行われたこと、いくらの金額かが日本国内の口座に送金されたことが分かるからです。

税務署には記録として残っているので調査の対象になる可能性があります。

ばれないと思うのではなく一度税務署に相談するのをおすすめします。

場合によっては赴任期間にも影響

海外で働いている場合、その給与に対して日本の税金がかかることはすくないのですが、海外の税金を支払わなくてはいけないケースがあります。

私の旦那がこれまで滞在してきたアメリカやメキシコでは、海外で得た給与に対してその国の所得税がかかることはありませんでした。

しかし、税金がかかってくる国もあるようです。この場合ですが、基本的に現地で生活をしている以上は支払う義務が生じます。

また、1年目から税金がかかるのではなく、2年目や3年目から課税されるケースもありますし、ビザの種類によって課税される、されないが変わるケースもあります。

海外で課税された場合、その税金を日本で取り戻すことはできません。

また、課税されるようになることで会社側も、海外の年金に加入し支払いをしなければいけないケースや現地の健康保険を負担しなければいけないケースもあります。

一定年数経過することによって課税対象となるような国では、その前に駐在員を異動させたり、帰国させたりするので赴任期間にも影響してきます。

なぜ駐在員は給与が高めなのか

なぜ駐在員は給与が高めなのか

「海外に3年駐在していたら家が建った」そんな嘘とも本当とも言えるような話を聞いたことがある人もいると思います。

なぜ、海外赴任をするとそこまで多くの給与をもらうことができるのでしょうか。

実は、基本の給与以外にも「手当」というものが複数付くことになり、その分総所得が上がります。

海外赴任する人の手当の種類

海外赴任をするとさまざまな手当てが付いてきます。

中には手当だけでも生活できてしまうような国もあるので、基本給には手を付けることなく生活ができます。

そこでどのような手当てがつくのか代表例を紹介します。
【手当例は一部上場企業・海外駐在公務員の手当てを元に紹介します。】

海外赴任手当

慣れない外国での生活に対するストレスの補填、海外で一定水準の生活をすることができるように支給される手当です。

親族だけでなく、友人らからも離れて生活をしなければいけない精神的な補償としての意味合いもあります。

金額は基本給に一定の割合を掛けて計算されたり、現地の物価事情を考慮して算出されたりすることが多いですが、基本給に上乗せして同額から半分程度は付くことが多いです。

ハードシップ手当・危険地域手当

海外赴任する国によっては治安面で不安なところもあります。

国そのものは比較的安全と言われていても居住する都市にとって危険度が変わるケースもあります。

そこで海外赴任する人には「ハードシップ手当」または「危険手当」といったものが上乗せされるケースがあります。

この手当の給付意図としては

    • 流しのタクシーは危険なため、多少高くても安全なタクシーを利用すること
    • 公共交通機関は危険なため、自家用車による移動をすること
    • 防犯上、24時間警備員が常駐している自宅に住むこと

このような理由で付与されます。したがって、金額は行先によってはまちまちですし、会社によっては実費で後日清算という形をとっているところもあります。

一時帰国手当・健康管理手当

いったん海外赴任をしてしまうと簡単に帰国することはできません。

遠い国になれば日本に一時帰国するだけでも高額な費用が掛かります。

そこで、海外赴任している人に対して、日本への一時帰国を補助する制度を設けている会社があります。

一時帰国させるのはただ休暇を与える目的だけでなく、一旦日本に帰国して「健康診断を受けさせる目的」もあります。

会社では労働者の健康診断をするのが義務であり、海外に赴任していると健康診断をしにくいことから社員を一時帰国させます。

よって、一時帰国手当は赴任したらすぐに支給されるわけではなく、2年目や3年目といったある程度現地での就業期間があることが条件になっていることが多いです。

教育補助手当

会社では海外に赴任中も社員の子どもの教育をある程度補償しなければいけません。

日本の公立学校であれば月に1万円程度もあれば十分に通うことができますが、海外の日本人学校は私立のため学費が月に数万円かかります。

インターナショナルスクールになると月に十万近い学費になっていることも多く、日本との学費の違いが家計を大きく圧迫します。

そこで、子女に教育を受けさせることができるように会社としても学費の補助として「教育補助手当」を支給しているところが多いです。

住宅手当

駐在生活をするのに住宅は欠かすことができないものです。

しかし、日本と海外の住宅事情は全く異なり、住む場所によってはとんでもない家賃のところに住むことになります。

筆者もニューヨークに住んでいたことがありますが家賃だけでも2500US$を超えており、手当で住居費を賄うのは非常に厳しいです。同じように中国の上海や北京、シンガポール、香港なども住宅の家賃が非常に高いことで有名です。

そこで赴任手当とは別に「住宅手当」を支給することになります。

住宅手当は、住む場所や赴任者の役職によって変動するようになっており、身分相応の住宅に住むことができるよう支給されます。

基本的には「日本人が多く住み・安全・学校などが近い」といった場所が選択されます。

また、周りの会社と比較して同じ役職であれば同等の物件に住むことができるよう配慮されます。

大きな会社では、マンションごと会社で借り上げている場合があるので、この際には住宅手当は支給されません。

海外赴任時は管理職手当が付いてくることが多い

海外に赴任してくる人は、一般職ではなく管理職扱いで赴任してくることが多いです。

特に製造系の会社の場合、現地の工場を指揮したり、開発したりする責任者として日本から派遣されます。

現地に行って技術系として下働きをするケースは少なく(出張で海外に行くときは別)、駐在員というのは、ある程度のポストとして長期にわたって働いてほしいから赴任させています。

短期間であれば出張ベースの方が安く済みます。よって、海外赴任する人は管理職扱いとなり、管理職手当が支給されていることがあります。

結果として日本にいるときに比べれば多くの給与をもらうことができます。

税金によって引かれるものが少ない

海外に駐在して、給与が増えたなと感じる理由の3つ目が「税金」です。

日本で仕事をしていると所得税や住民税など多くの税金を支払わなければいけません。

しかし、海外で仕事をしている間はこの支払をする義務がなくなります

それなりの給与をもらっていた人からすると、税金の支払い分がなくなるだけでも手取りがかなりアップすることになります。

まとめ

まとめ

ここまで駐在員の気になる給与事情についてまとめてみました。

基本的に海外勤務になると給与はアップします。

これは各種の手当てがついてくるのと税金の支払いがなくなるためです。

海外での給与や手当が多くなる理由は、国内での給与算定基準だけでなく、同じ企業間や他の会社、また現地の物価事情などを元にして給与が算定されるためです。

よって、海外赴任を一人させるというのは会社にとっても大きな決断であり、負担が大きいことが分かります。

  • この記事を書いた人

emikyon

ドバイ、アメリカ、メキシコでの駐在妻を経験。大好きな海外旅行の際に、飛行機のマイルを貯めることもライフワークの一部。元小学校教諭。英検準1級。

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