これから海外赴任をする仲間に餞別を贈るというのは職場仲間や友達関係との間でよくある話だと思います。
しかし、実際に贈るときには、どのようなものを贈れば喜ばれるのでしょうか。
プレゼントですので、もらったらうれしいと思ってもらえるものがある一方で、これは困るというものもあります。
海外赴任者へのプレゼントは、渡す時期や内容も一般的な餞別とは少し違うことを意識して渡すと相手もとても喜びます。
もくじ
喜ばれる女性海外赴任者への餞別は何を用意する?
渡すものは事前に確認する
海外赴任者への餞別あるあるで、もらったものが赴任国へ持ち込み禁止であったというのもよくあるお話です。
例えば、イスラム教徒が多いアラブの国へ赴任をするのに「お酒」をプレゼントしたり、たばこを吸う人だからと言って「電子タバコ」をプレゼントしたら持ち込み禁止であったりという事例です。
食べ物であっても持ち込みができるものとできないものがあります。赴任者が、赴任する国へ持って入ることができるのかを事前に確認してから渡す意識を持ちましょう。
渡す時期とものを考える
私自身の経験からですが、旦那が赴任をする直前のお別れ会で大きな花束をもらって帰ってきたことがありました。
お花は、別れのアイテムとしてとてもよいのですが、赴任の直前にもらっても持っていくことができませんし、飾ろうとしても家に飾るための花瓶類も収納してしまい、結局実家の両親に受け取ってもらいました。
このあといくつかの餞別を紹介しますが、生ものや賞味期限の短いものは出発前のバタバタした状態では受け取っても困ります。
また、餞別を贈る際は、赴任者のスケジュールを考慮して贈ると喜ばれます。
文房具などの小型のものであれば、鞄にすぐに入れることができますが、赴任者は少しでも大きなものになると当日もっていく荷物ではなく、事前に収納して空港に送ってしまいたいものです。
船便を利用する場合、船便の荷物は赴任の1か月から2か月程度前には出荷します。
空港で預け入れする荷物もある程度大きさのあるものは出発の1週間程度前には空港に向けて発送してしまいます。
発送した後に大きな荷物が届くと、収納に困ることになるので、できるだけ、大きな贈り物をする場合には早めに渡してあげるのも心遣いです。
日常で使うものから4選
はじめに日常的に使うものから餞別として人気のあるものを4つ紹介します。
ボールペンなどの文房具
価格もお手頃で餞別としてもらった人も重宝するのが「ボールペン」や「シャープペン」といった文房具です。
シャープペンやボールペンは小型なので直前にもらっても収納場所に困ることはありませんし、赴任してからも使うことが多いです。女性向けのおしゃれなデザインのものをプレゼントすれば喜ばれます。
仕事の仕方によっても変わりますが、ボールペンやシャープペン、パソコンを頻繁に使う人であれば、パソコンの周辺で使うマウスパッドやペン立てなども喜ばれます。
文房具をお勧めする理由はもう1つあり、海外で手に入る文房具の性能はあまりよくない点です。
海外赴任してからでもボールペンやシャープペンは手に入りますが、日本製のものと比べるとインクが出にくかったり、壊れやすかったりします。特にゲルインクタイプのボールペンやペン際の細いボールペンはほとんど見かけないので、いつも仕事で使っているものがあれば、その道具を餞別にするのもよい方法です。
海外に赴任してから現地で手に入る文房具の性能に困り、わざわざ日本から送ってもらったり、日本へ一時帰国や出張する人に購入を依頼したりする人もいるので、このあたりの事情を察して文房具をプレゼントするのもよい方法です。
これ以外にも仕事で使うちょっと便利グッズ、例えばUSBで電気を取って回る卓上扇風機や保温するためのマットなどは海外でも見かけることはありますが、数が少なく、さらに高いです。
日本であれば100円均一ショップで売っているような便利グッズでもなかなか手に入らないということは多いので、普段どんな仕事スタイルをしているのか分かる同僚であれば、ちょっとした仕事便利グッズを贈るのもよいです。
電子手帳などの小型家電
2つ目に紹介をするのが電子手帳やデジタルカメラなどの小型家電製品です。
スマートフォンが普及してきたことによってデジタルカメラの存在意義が薄れつつあるところですが、それでも餞別としてもらえば利用価値があります。
これらの小型家電を餞別としておすすめする理由は、日本製に勝るものは海外になかなかないという点です。
電子辞書や手帳、デジタルカメラは、日本メーカーが作って海外でも販売していますが、現地で購入すると非常に高いです。
さらに、製品の説明も現地語や英語での表記がデフォルトになっているので、表示を日本語に変えるだけでもひと手間かかります。日本で購入したほうが安く、豊富なバリエーションの中から選択することができます。
ただし、小型家電を餞別としてプレゼントする場合には、2つ注意点があります。
1つ目は、海外赴任する人に事前確認をすることです。
例えば、語学のサポートができる電子辞書をプレゼントしようとしても既に持っている可能性があります。海外赴任する前に、持っている家電製品を買い替えるのはよくある話であり、同じようなものを2つ持っていても意味がありません。
また、価格も安くないので、事前に確認しておいてほしいものを餞別としてプレゼントすると予告しておくのが親切です。
2つ目は電圧の問題です。日本は交流100V、50/60MHzですが、海外では240Vのところもあれば110Vのところもあります。
近年のスマートフォンなどでは、複数の電圧対応のプラグとなっており、「240V〜100V」まで対応可能のアダプターが付いています。ただし、家電製品によっては100Vしか対応していないものも多くあるので贈るときには電圧を確認しましょう。
特に女性へのプレゼントに限定すると「ドライヤー」や「加湿器」といった美容商品の家電は注意が必要です。
加熱やモーターを動かすタイプの家電製品は、「100V限定」となっているものが多く少しでも電圧が違うとショートして動かなくなったり、最悪発火したりします。
実際に海外赴任している私の周りでも日本でドライヤーを購入してきたら電圧が違って使えなかったという話を聞きますので、複数電圧対応なのかどうか家電製品を餞別として贈る場合には注意しましょう。
生活の必需品タオル
3つ目が生活の必需品で、消耗品のタオルです。
タオルであればどれだけあっても困ることはありませんし、女性であれば様々な場面で使うことになります。
ハンドタオル、バスタオルどちらにしても、もらってうれしい餞別です。タオルも日本のものは品質が良く、肌あたりが良い特徴があります。
また、海外でもタオルは販売されているのですが、日本のものといくつかの違いがあります。
- 日本のものと比べると大きく、生地が厚い。そのためやや重たい。
- 吸水性は高いが、乾燥に時間がかかる。
- 商品によっては香料が生地に含まれており、独特のにおいがある。
このような違いがあるため、日本人であれば日本で使い慣れたタオルを餞別としてもらうことができればうれしいです。
もう1つ海外独特の事情から行くと、日本では用途に応じた様々な種類のタオルがあります。
しかし、海外ではタオルというと「バスタオル」と「ハンドタオル」という2種類しかありません。
ちょっとした汗拭き用に鞄の中に入れておくと便利な小さいタオルや手ぬぐい、布巾、タオルからは少し離れますが雑巾のようなものも海外では売られていません。
女性であれば、小さめのタオルを必需品のように持っている人もいますし、赴任者にお子さんがいるのであれば小さいタオルを使う機会も多くなります。
ハンドタオルであればかわいいデザインのものや子ども向けのものも多く、価格も安いので餞別としてプレゼントするのによいのではないでしょうか。
バス用品
4つ目に紹介する日常生活で役立つ餞別は「バス用品」です。
ただし、海外の住居ではバスタブが付いているところは多くないです。事前にバスタブが付いていることが分かっているのであれば、バス用品がおすすめの餞別になります。
バス用品が餞別としておすすめの理由として、海外では手に入れることが難しい点が大きいです。
元々シャワー文化の国では、バスタブにお湯をためて長く入るという文化がありません。そのため、シャワーを浴びるためのグッズや身体をきれいにするための用品は充実していてもバスルームでリラックスタイムを過ごすという考え方がありません。
また、一部ではバスタブに入れる入浴剤のようなものも販売されていますが、花の香りのものが多く、日本のものと比べると匂いがかなりきついです。
「ゆず」や「ひのき」といったような日本人が好むような香りのものはほとんどありません。したがってお風呂での時間をリラックスして過ごすことができるようなアイテムは、もらった側はうれしい気持ちになります。
もう1つお風呂関係のグッズで最近、日本から赴任してくる人が持ってくるものが多いアイテムにシャワーヘッドがあります。
近年、日本では様々なタイプのシャワーヘッドが販売されるようになり、節水タイプのものや出てくる水の大きさを調整して肌あたりの良い水を出すことができるように工夫されているものがあります。
シャワーヘッドであれば、赴任先で付いているシャワーヘッドを交換するだけで使うことができます。女性は、シャワーの水当たりや肌への刺激を気にする人も多いので、餞別としてシャワーヘッドをプレゼントすると喜ばれるかもしれません。
女性ならではの3選
次に女性の海外赴任者という点を重視して餞別となるプレゼント3種類を紹介します。
コスメ用品
女性がもらってうれしいプレゼントの代表と言えばコスメ用品ではないでしょうか。海外赴任をするときだけでなく、日常でもらってもうれしいのがコスメ用品です。
そんなコスメ商品は、海外赴任をする女性への餞別としても使えるものです。
まず、海外のコスメ事情ですが、当然ほとんどの国で化粧品は販売されています。特に国内でも販売されている海外ブランドの化粧品や日本国内の有名メーカーの化粧品であれば、海外のお店でも置いてあるところが多いです。
しかし、海外独特の特徴があります。
- 香料がきつい
- 色がきつい
- 刺激物が多いのか肌に合わない
上記のような傾向が海外で売られているコスメにはあります。
日本で販売されているものは日本人好みにアレンジされているので、赴任する人が愛用しているブランドやお気に入りの商品を知っているのであれば、それを餞別とするのもよい方法です。
また、コスメと日常用品の中間ですが、石鹸やボディーソープ、シャンプーといったものもあると便利なグッズです。これらも海外で販売されているものは香りがきついという特徴があります。石鹸類はギフト商品としてラッピングされていることも多く、オーガニック製品や特別感のあるものを餞別とすれば、少し高級感も出るので女性にはおすすめです。
ブリザードフラワーなどのお花
生花は前述したように出発する直前にもらってしまうと飾ることもできず、持っていくこともできずとなり餞別としては困ってしまいます。もし生花を餞別としたいのであれば、少し前に渡してあげるのがよいかもしれません。
一方で、生花以外で花を贈りたいのであればブリザードフラワーなどの長持ちするタイプがおススメです。ブリザードフラワーであれば、そのまま荷物に入れて海外に持っていくことも可能です。海外でもフラワーアレンジメントは女性に人気があるので、少し日本的な要素のあるものは部屋に飾るだけで話題が生まれます。
ブリザードフラワーもギフト用に作られているものが多く、インターネットでも購入することができます。遠方の知人が海外赴任をしてしまうようなケースでは、直接会って渡すことが難しいので、インターネットで注文してお届けするというのも1つの方法です。
餞別でお花を贈るのはよいイメージがあるかもしれませんが、実際もらう人の立場になると生花はちょっと困ってしまうというのが現実です。
キッチン用品
女性でも駐在妻として赴任することになる人に送る餞別としては「キッチン用品」もよい餞別の1つです。
特にちょっとおしゃれなキッチン用品というのは海外でもよく見かけるのですが、機能面で優れているというものは、あまり見かけません。
また、食文化の違いから海外では売っていないようなキッチン用品もたくさんあります。
実際に私がもらったもので役立ったものの代表がフライパンです。
特に卵焼きを作る用の四角い形をしたフライパンは海外でほとんど見かけることがありません。卵焼きだけでなく一人用の調理をするのにとても便利で重宝しています。
ほかにも人気のアニメキャラクターの形に焼くことができるフライパンやタコ焼き器は海外で手に入らないのでありがたかったです。
選ぶ側の視点としては、和食を作るときに使う道具と考えれば選びやすいと思います。
また、お子さんがいるのであれば、子どもが喜ぶようなキッチングッズ、あと、弁当を持参するという考え方があまりないので、お弁当に使うことができる便利グッズや弁当箱はもらってすぐに使うことができます。
キッチン用品から少し離れますが、タンブラーやエコバックも近年はプレゼントとして人気が出てきています。海外でもエコバックをもって歩くことが当たり前になっている国も多く、もらってもすぐに使えます。
日本のキッチン用品の素晴らしいところは、「一人用」が多い点です。
鍋にしてもフライパンにしても一人利用サイズがあるのは便利ですが、なかなか購入しない大きさでもあります。そんなちょっとお助けになるかもという大きさをもらうことができればうれしいです。
キッチン用品でも電動系のものは避けたほうがよいです。前述したように海外と日本では電圧が異なります。
キッチン家電は海外で購入したほうが、充実しているケースも多いです。
「日本食を作るときに便利なもの」「日本文化にあったキッチン用品」という観点で考えるとよい餞別を選ぶことができます。
食料品から3選
最後に食品類から餞別を選択する場合にはどれがよいのでしょうか。
基本的な考え方として、出発前であればすぐに食べなければいけないものはだめです。
また、持っていくにしても生ものや肉類は、賞味期限や入国の制約に引っかかる可能性があります。
日本茶のティーバック
餞別としてよく聞くのがお茶を煎れるときに使う「ティーバック」です。ティーバックであれば、長持ちしますし、重さも軽いのでそのまま海外に持っていくことができます。
しかも、海外で日本茶を手に入れるのはとても大変で、販売されていたとしても高いです。
茶葉は売っていたとしても一人ですぐに飲むことができるようになっているティーバックはなかなか手に入りません。
同じような理由で粉状になっていて水やお湯に溶かすだけで飲むことができるお茶もほとんどありません。日本茶が好きな人であれば、ティーバックはよい選択です。
ちなみに海外でティーバックはメジャーな商品で、文化にもよりますが紅茶類はほとんどティーバックに入って販売されていることが多いです。
アメリカでは日本人も多く住んでいるので紅茶だけでなく緑茶のティーバックもよく見かけます。
一方で、あまり売られていないのが麦茶です。麦茶が好きな人であれば持参していったほうが無難です。
また、急須というものもありません。紅茶を入れるティーポットのようなものはあるのですが、中に茶葉を分ける用のネットが付いていないので、どうしても茶葉がコップに入ってしまいます。
茶こしがあると便利ですが、海外では見かけませんので日本で買ってきます。
インスタント食品
長期間保存することができる代表格と言えば「インスタント食品」です。
日本でも様々なものが販売されており、これもプレゼントされると利用価値の高いものになります。
では、どのようなものが餞別としておすすめかというと「日本食のインスタント」です。しかも、できるだけかさばらないものが喜ばれます。インスタント食品の代表であるラーメンは軽くてよいのですが、かさばるのが欠点ですし、海外でも日本で販売されているメジャーなインスタントラーメンは手に入ります。
では、どんなものがうれしいのかというと例えば「ふりかけ」「お茶漬けの元」「チャーハンのもの」といった簡易で、かさばることもなく、日持ちのするものであればうれしいです。
特に赴任する女性が一人暮らしをする、またはお弁当をもって出勤する可能性が高いのであれば、「ふりかけ」は重宝します。
海外でも日本食材店の一部でしか、ふりかけ類を取り扱いしていないので日本でもらえることができればありがたいです。
ほかには簡易みそ汁の元やだしパックなども日本を感じることができる食品です。
乾物類
最後に紹介するのが「乾物」です。
インスタント食品と少し共通する部分がありますが、乾物類の中でも「干しシイタケ」や「鰹節」といったものが海外では手に入りにくいです。
日本食を作るのに大切な調味料ともなる乾物ですが、海外では取り扱いが少なく購入しにくいのが現実です。「昆布」「わかめ」といった乾物もあまり見かけません。これらは日本食を作るのには必要な食材ですので、海外赴任する駐在妻や料理が得意な人に贈ると喜ばれると思います。
海外でも乾物はよく見かけます。特に中国をはじめとするアジア圏では日本食と同じように乾物を利用して味を出すのはよく行われる手法なので、アジア圏に向かう予定であれば、そこまで必要性はないかもしれません。
しかし、欧米や北米になると乾物から味を取り出す料理法はあまりなく、香辛料として使うようなものが中心になります。このあたりの事情を知ったうえでプレゼントすると相手に対してのアドバイスにもなります。
贈り物をするときの注意点
ここまで海外赴任する女性向けのプレゼントを紹介してきましたが、餞別を贈る際にはいくつかの注意点があります。特に気を付けたいのが「赴任直前のプレゼントは邪魔になる」という点です。
前述していますが、家の中はほぼ片付けが終わり、人によっては自宅を引き払ってホテル暮らしをしているような人もいます。
そこで大きなものを手渡されても持っていくことができません。海外に持って行って使ってほしいものであれば、少なくとも一週間以上前、日持ちがするものであれば一か月程度前に送ってもよいぐらいです。
どうしても直前になって餞別を贈りたい場合には、ものではなくギフトカードや金券を餞別にするのもよい方法です。
海外でも利用することができる大手通販ショップのギフトカードであれば現地に赴任してからも使って買い物をすることができます。
私もいくつかの餞別をいただきましたが、一番役に立ったものは何かと言われると現地のオンラインショッピングで利用できるギフトカードでした。
まとめ
ここまで海外赴任する女性に贈ると喜ばれる餞別について紹介しました。
女性に送る餞別ですので、コスメ用品やバス用品など身体のケアのことを考えて商品を贈ると喜ばれます。
海外商品は、日本人に合わない部分があり、特に赴任した直後は日本のものが恋しくなります。そんなときに日本製の贈り物があればとてもありがたく感じます。
ある程度、生活が落ち着いてくれば、現地のものを試してみる余裕が出てきますが、それまでは日本から持ち込んだものを使うことが多いです。
相手の健康や身体のケア、精神的な負担を軽減することができるものを餞別にすると、きっと相手も喜んでくれるはずです。