駐在妻が赴任先の言葉を勉強する場合、どんな方法があるのでしょうか。
日本を出発する前であれば、英会話教室やオンライン英会話などが思いつくところですが、赴任してから現地で同様のサービスがあるかは分かりません。
筆者もアメリカ、メキシコと異動してきましたが、英会話、スペイン語の会話教室というものはあまり見つけたことはなく、家庭教師を付けて勉強するか、日本で学んでいたオンラン英会話教室を継続するかが主流でした。
しかし、少数ながら現地の「語学学校」に通って勉強をしている人たちもいます。
では、現地の語学学校とはどんなところなのでしょうか。アメリカの例が中心になりますが、語学学校の特徴やそこに通うメリット・デメリットについて紹介します。
もくじ
駐在妻が語学学校に通う
実は、筆者自身も語学学校に「体験入学」まではしたことがあります。
しかし、現在に至るまで通うかどうか、正直言って迷っているところでもあります。
なぜそのように感じるのでしょうか。まずは、語学学校事情から説明していきます。
アメリカの語学学校事情
語学学校と行っても学校の種類は様々で受け入れる年齢層も違います。
大きく分けると「大学に付属している語学学校」「私立の語学学校」「民間企業の語学学校」という種類に分けることができます。詳しい内容や費用については次の項で紹介します。
語学学校のレベルも豊富に用意されています。
アメリカに住んでいる人が本格的に専門用語を学ぶ「理系コース」や「文学コース」というものもあれば、若いころに学校に通うことができず読み書きをすることが苦手なアメリカ人が通う「言語能力発展コース」さらに外国人留学生が通うコースも用意されています。
駐在妻が選択をしやすいコースは「外国人留学生コース」になります。
ただし、受講生は日本人ばかりでなく中国人や韓国人なども多数います。
また、語学学校の数はかなり多くあります。
特に留学生が集まりやすいニューヨークやロサンゼルスなどの大都市、またシアトルやカナダに近いシカゴなども大学が多くある関係から留学生が多く、留学生向けの語学学校が多い特徴があります。
語学学校の種類や費用を紹介
語学学校というと、日本の人が思い浮かべやすいのが「ワーキングホリデー」でやってきた留学生が通う大学の付属語学学校ではないでしょうか。
勉強するのも大学のキャンパスや専門施設を使って勉強するので、学生に戻った気分で勉強することができます。
アメリカでもこのタイプの語学学校はたくさんあります。私立の大学だけでなく州立(公立大学)でも授業を実施しています。
大学の付属語学学校というと入学試験のレベルが高そうというイメージがありますが、そんなことはありません。
ただし、学費に関してはかなり高額です。2020年の資料からですが、週1回1日の授業を4回受講して月に3~5万円程度、授業数が増えると金額があがっていきます。
フルに受講(週5日半日コースを1か月)だと15万円程度の学費がかかります。指導者や授業のレベルは高いもののかなりの出費になります。
2つ目が「私立の語学学校」です。
こちらは大学とは完全に切り離された語学学校で、地方都市や大都市でもベッドタウンなどで多くみられる学校です。
学校そのものはビルの1室を利用して行われていたり、ショッピングモールの中に入っていたりするような場合もあります。
イメージとしては日本の英語教室に近い感じで手軽に勉強することができます。
コース選択をすることもでき、レベル分けもされているので安心です。
費用は大学に比べると安く月に2万円程度で、1回ごとに価格設定がされている教室もあります。受講やレベルの変更も簡単にできるメリットもあります。
3つ目が「民間企業の語学学校」です。
これは日本にはあまりないタイプの語学学校で、アメリカに展開している企業が運営している語学学校です。
デトロイトやニューヨークなど、企業が多いエリアにある学校です。
1つの企業が運営している場合もあれば、いくつかの企業が合同で運営している場合もあります。
託児所や幼稚園まで併設されているような大規模学校もあります。
民間企業の語学学校の特徴は、その語学学校を運営している企業に関係している人でないと入学できない点です。
企業の福利厚生的な意味合いもあり、通うことができるのは出資している企業に勤めているまたはサプライヤーなどの関連している従業員や家族などに限定されます。そのため、学費はかなり安く設定されていて、通うことができるのであれば入学したい学校です。
語学学校で学ぶメリットとデメリット
駐在妻が現地で語学を学習するにあたり、家庭教師やオンライン英会話などいくつかの方法がある中で語学学校に通うメリットはどこにあるのでしょうか。
メリットは、ネイティブの先生から指導を受けることができるという点です。
しかも、その国に合わせた言語を学ぶことができます。同じ英語でも国によってなまりや方言のようなものがあり、微妙に言い回しが違うこともしばしばです。
現地の学校であれば、その国や地域の実情に合わせた言葉を学ぶことができます。2つ目は指導カリキュラムがしっかりとしている点です。
多くの留学生を受け入れているような語学学校であれば、どのように勉強をしていけばよいのかマニュアル化されています。
最も効率的な方法で学ぶことができるので言葉の上達も速くなります。
ほかにも現地の人と触れ合うことが出来たり、学校に通うことになるので集中して勉強をすることが出来たりします。
一方でデメリットは、一斉授業の方式が多いので、いくらレベルごとに分けられていたとしても、実際に授業を受けてみたらかなりハイレベルであったということもあります。
筆者自身も体験入学で挫折してしまったのはこの点で、赴任して数か月後に語学学校の体験入学に参加しましたがあまりのレベルの高さ、言葉の難しさについていくことができるのか不安になり辞めてしまいました。
また、学校に通うことになるのでかなりの時間を拘束されます。特に大学に付属している語学教室では、大学に通う時間がかかるだけでなく授業も朝から夕方までしっかりと入っています。
さらに課題が出されることも多く、自宅でさらに勉強をしなければついていけない状況になることもあります。
語学学校で、勉強を考えている人は、これらのメリットとデメリットを天秤にかけて自分のやりやすい方法を選択する必要があります。
いきなり現地語学学校はハードルが高い
語学学校に通うメリットとデメリットから考えると赴任してすぐの駐在妻がいきなり語学学校に通うというのは、かなりハードルが高いということに気づいていただけましたでしょうか。
ネックになるのが英語圏であれば「All English」になってしまうことです。
日本人を相手にした語学教室はアメリカでも少なく、ニューヨークやロサンゼルスなど一部の大都市にある学校に限られます。
それ以外の語学学校では、「留学生」「外国人」という枠でひとくくりになっているので入学をしたら、日本語がほとんど聞こえない教室で勉強をする可能性が高いです。
さらに入学の手続きや試験などもすべて英語で行われているので、ある程度の言葉が理解できないと入学すら危うい状況になります。
実際に現地に住んでいる駐在妻の中でも赴任直後から語学学校に通っているという人は少なく、半年や1年程度経過してある程度日常の言葉が分かるようになってから語学学校へ入学するという人が多いです。
赴任して半年ぐらいは生活の立ち上げだけでも忙しく、なかなか集中して勉強をすることができる環境も整いません。
はじめのうちは語学学校ではなく違う勉強法からスタートするのがおすすめです。
日本人による指導であれば安心
では、現地に赴任してから勉強する方法としてどんな方法がよいのでしょうか。
これは語学学校のデメリットをメリットに変えることができる勉強法を選択すればよいです。
デメリットは
- 日本語がないのでいきなり英語だけでは能力がついていかない
- 個人のレベルに合わせた個別指導が良い
このデメリットをメリットに変えることができる方法を選択します。
オンラインで学ぶことができる「英語コーチング」
赴任して語学力を高めるための勉強法としておすすめなのが「コーチング」による学びです。
コーチングであれば、オンラインで学ぶことができるので駐在している人も、現地の自宅で勉強をすることができます。
必要なものもインターネットに接続することができる環境とパソコンやスマートフォンといった端末があれば十分です。
オンラインなので通う時間を削減することができ、赴任直後の忙しい時期でも学びやすいメリットがあります。
2つ目のよいところが、日本語も話すことができる指導者が付くという点です。
指導者は日本語と英語に堪能な講師がそろっており、上手く英語で表現をすることが出来なくても日本語で助けを求めればサポートしてもらうことができます。
学習形態もマンツーマンや少人数による学習が基本となっているので、受講者の能力に合わせて個別最適化された学びを受けることができます。
オンラインと言ってもリアルタイムでレッスンを行うので、現地の学校で対面指導による学習をするのと大きな差はありません。
コーチングであれば、赴任する前の段階から始めることもできます。
基本的に海外赴任は、ある程度前から決まっており赴任するまで準備期間があります。
この準備機関からコーチングによる学習を始めて、赴任後も継続して勉強することができます。
手続きはすべて日本語で行えますし、赴任後も学習方法を探す必要がありません。
費用面で見ても語学学校に通うよりは安く済むコーチングスクールが多いです。
英語が苦手、嫌いという人にとって、いきなりレベルの高い学校に通って勉強するのは、生活するだけでストレスがたまる初期の駐在妻にとって肉体的にも精神的にも負担になります。
スムーズに語学学習に入っていくことができるようにするためにも、コーチングによる語学学習がおすすめです。
現地で学ぶ場所・指導者を探すのは大変
海外に赴任してから勉強する場所を探すというのはとても大変な作業です。
各国の首都で語学を学ぶことができるような教室や大学があるような都市であればよいですが、筆者が住んでいるのはアメリカの工業都市。大学はあるものの語学学校となると車で20分ほど走らないと行くことができません。
しかも、入学に関する手続きも大変で英語での資料を読んだり、銀行口座やビザ(査証)の準備をしたりなど大変です。
体験入学で実際に学校に行ってみましたが、途中から授業に参加するような形になるので、ついていくだけでも必死、周りのみんなは楽しそうに話をしているのに自分はなかなか話すことができないといった状況も経験しました。
その後運よく、家庭教師が見つかり、家庭教師に指導を受けながら語学力を身につけることができましたが、これも運が良かったからです。
日本から準備しておけばよかったと後悔することもありました。
まとめ
ここまで駐在妻が学習できる語学学校について紹介しました。
現地の語学学校は日本の英会話スクールとは異なり、日本語によるサポートがほとんどありません。
留学生や外国人向けコースがあったとしてもレベルは高く、さらに学費も高いです。英語が苦手、赴任した直後の言語に不安を抱えている人であれば、語学学校よりも効率よく学ぶことができる方法があります。
英語コーチングであれば、日本語によるサポートがあり、しかもオンラインで学ぶことができるので受講者の語学力に合わせて受けることができます。