駐在妻の中には、海外に赴任していることを「つまらない」と表現する人もいます。
なぜそのようになってしまうのでしょうか。実はつまらなくしている原因を少し解決するだけで、駐在はとても楽しいものに変わります。
もくじ
駐在がつまらないと感じる理由
駐在生活というのはだれもが経験できるものではありません。旦那さんの仕事の都合もあるでしょうし、そのときの運もあります。
最初から狙って「駐在妻」になろうと結婚している人は、ほとんどいないと思います。
でも、そんな駐在生活が「楽しくない」「つまらない」といって奥さんだけ帰国してしまうのもよくあることです。なぜこのようになってしまうのでしょうか。
自由に生活することができない
駐在生活が「つまらない」と感じてしまう理由の1つ目が自由に生活することができない点です。
海外に行くと、まず「言葉の壁」があります。
相手と自由なコミュニケーションを取れないのは不安であり、ストレスを感じます。
そして、行動に制約が付くケースもあります。自家用車を持つことができない、公共交通機関が使えないなど、赴任させる会社が独自にルールを作っていることが多く、安全面への配慮からこのルールを守らなければいけません。
このように、日本と同じように生活をすることができないというのが駐在をつまらないと感じさせる要因になります。
人間関係に偏りが生まれてしまう
2つ目のつまらないという理由が人間関係の偏りです。
海外で生活をしていると日本と比べて、同じ日本人の人間関係は限られます。
現地の人と人間関係を広げることもできますが、そこには「言葉の壁」が立ちはだかることになります。
日本人が比較的多い都市(中国の上海やタイのバンコクなど)であれば、人間関係の狭さを苦痛に感じることはないかもしれませんが、日本人が少ないところになれば、窮屈になります。
いつも同じ人と過ごすことばかりになり、話題や人間関係の偏りにつまらなさを感じる人はいます。
これまでのライフスタイルと大きく変わる
3つ目は、これまでのライフスタイルと大きく変わってしまう点です。
ライフスタイルの変化がつまらないと感じてしまう人は、日本で仕事をもっており、仕事にプライベートの充実していた人が悩む傾向があります。
駐在になると仕事に関しても制約を受けることになります。
長期にわたる駐在の場合、日本でやってきた仕事を辞めてきている人も多く、これまで生活してきた時間の使い方と大きく変わってしまいます。
自由な時間が増えたといえば、その通りですが、自由な時間が多くなってしまった分、どのように過ごせばよいのか分からなくなってしまい、日常生活につまらないという感覚を抱く人もいます。
言葉を学ぶと世界が変わる
駐在妻が、「駐在はつまらない」と感じる理由にはいくつかありますが、どの理由にも共通してくるのが「言葉の壁」があるということです。
逆に言えば、「言葉の壁」を取り除くことができる、または少しでも壁を低くすることができれば、気持ちがかなり変わります。
言葉を学ぶには努力が必要ですが、その代わりに様々なものを獲得することができます。
語学力は人間関係を豊かにする
言葉を身に付けると何が良いのでしょうか。
最初にできるようになるのは人間関係が豊かになることです。
日本語しか話すことができない人は、どうしても日本人同士で固まります。これが人間関係を偏らせてしまう要因です。
なぜ固まってしまうのかというと、日本語で話すことができる安心感があるからです。
でも少しでも、現地の人と話すことができれば世界は変わります。いつもいく市場で現地の人とちょっとした会話、近所の人とちょっとした挨拶、これができるだけでもコミュニケーションができます。
少し会話ができれば、現地の幼稚園に通わせてみたり、お手伝いさんを雇ったりすることも容易です。
少しの言葉が、現地の文化をぐっと引き付けるきっかけになります。
自由な時間を活用し行動範囲が増える
2つ目は、自由な時間を活用し、行動範囲を増やすことができる点です。
英語圏であれば、タクシーに乗車し目的地を伝えるのも英語です。
話すことだけでなく、読むスキルも大切で、英語が分からなければ目的地にたどり着くこともできません。
最近は航空券のチケット、ホテルの予約などもインターネットで行うのが主流ですが、これも英語または現地の言葉です。
そこでやっぱり語学のスキルが大切ということになってきます。読むことができる、話すことができるように少しずつでも赴任してから身に付けていけば、行動範囲は広がっていきます。
実際に、私も駐在をしてみて年々行動範囲が広がっていくことを実感しています。
赴任して最初の1年ぐらいは言葉の不安もあって、住んでいる街からちょっと外に出ていくのが精いっぱいという状況でした。
もちろん、よくお話をする友達も日本人ばかりでした。
しかし、1年を過ぎてくると、なんとなく言葉が分かるようになってきて行動が良い意味、大胆になってきます。
2年ぐらいたつと、周囲の駐在妻仲間と一緒に国内の観光地に飛行機で一緒に行ってみたり、大都市に日本食の食材買い込みに車で走ってみたりと、生活範囲が広がっていきます。
これも言葉に不安がなくなってきたことが大きく、「言葉の壁」がなくなると行動範囲が変わることを実感しました。
英語を学んでみよう
駐在生活を「つまらない」と思わないようにするには、言葉を学ぶことが大切です。
英語圏であれば英語を少しでも話すことができる。他の言語圏であれば、現地の言葉を少し話すことができるだけで世界が変わります。
では、英語を例にしてどのように勉強すればよいのでしょうか。
日本にいるのであれば、英会話スクールに通ったり、教材を購入して自分で勉強したりするなど様々な方法を取ることができます。
しかし、海外に赴任したらできないのでしょうか。
家庭教師をつけて学ぶ
現地に赴任している駐在妻の勉強法で、おそらく多いのが「家庭教師をつけて勉強する」方法です。
赴任すると現地には、日本人とつながりを持っている人がいます。その人に依頼をして家庭教師をしてもらい、勉強する方法です。
赴任してすぐのころは、通訳兼任だったり、お手伝いさんを兼任してくれたりととても頼りになる存在です。
ある程度、生活に慣れてきたら家庭教師として英語を教えてもらうことができます。
この方法の良いところは、生活しながら学ぶことができるので、時間的なロスが少ないことです。さらに、家庭教師であればある程度時間を自由に変更することができるので、教室に通うような義務感なく勉強できます。
家庭教師の先生を見つけることができるかという課題はありますが、効率が良く、人気のある勉強法です。
オンラインで簡単に学ぶことができる
現地に来てから勉強を始める人で最近増えてきているのがオンライン学習です。
英会話をオンラインスクールで学ぶ方法は、新型コロナウイルスの流行以来増えてきている学び方です。
日本で、オンライン英会話を学んでいて、そのまま駐在してからもオンライン英会話を続けている人は多くいます。
オンライン英会話は場所を選びません。日本にいるときは自宅で学ぶことができ、通う時間を短縮することができるメリットがありますが、海外に出てもインターネットの接続環境さえあれば、日本で学んでいたスクールでそのまま続けることができます。
海外でも日本国内と同じように学べるという新しいメリットが加わります。
最近はスマートフォンやタブレット端末を保有している人が増えているので、特別なものを購入しなくてもすぐに英会話を始めることができる手軽さもあります。
学んだことをすぐに実践できる
駐在中に、英語を学ぶことは単にコミュニケーションを円滑にできるようになるだけではありません。
実は、語学スキルを伸ばしやすい環境にいる最大のメリットを生かすことができます。
言葉は学んでもすぐに使わなければ意味がありません。知っている単語をつなげるだけ、あいさつをしてみるだけでも言葉を話せば、自分の学習が身についているのか、ついていないのかすぐに分かります。
言葉が通じれば、自分の勉強が身についていることが理解でき、さらなる向上心にもつながります。
日本で英会話を学んでいても、すぐに使うということはなかなかできません。しかし、海外に住んでいるのであれば、日常生活を送りながら自分のスキルをチェックすることができる一番良い環境にあります。
できるようになると自己肯定感も高まってきます。
自然と行動範囲が変わる
人は不思議なもので、不安なことがなくなってくると自然と行動範囲が変わってきます。
これはただ単に移動する範囲が広がるだけでなく、人間関係ややってみようという行動意欲にも関係してきます。
これまで一人で行くことができなかった遠くまで買い物に行ってみたり、さらなるスキルアップを目指して現地の習い事に挑戦してみたりと、言葉の壁がなくなったことによって駐在生活が「つまらない」と感じていたものから「楽しい」「もう少し居たい」と変わる人も多くいます。
このような行動の変化をするためにも言葉のスキルが重要になります。
まとめ
駐在生活がつまらないと感じている人の多くは、日本とのギャップに驚いてつまらないと感じている人が多いです。
特に障害となっているのが「言葉の壁」です。
そこで、ちょっと言葉を勉強することをすれば生活は一気に変わります。
海外に駐在をしているというのは学んだ言葉を即実践することができる環境にあります。
自分のできる勉強法の中から最適なものを選択し、少しでも言葉を話すことができるようになると行動範囲が変わり、つまらないと感じていた駐在生活が楽しいものに変わります。