「留学前にやっておくべきことって?どんな準備が必要?」
「留学前にはどんな手続きをするの?持ち物は?」
初めての留学を前にして、どんな準備をしておくべきかと不安に思っている人もいるのではないでしょうか。
留学準備は、ビザの取得や予防接種などをはじめとして、時間がかかるものが多いです。留学が決まった直後は、TOEFLやIELTSの勉強や面接を終えて、ホッと一息つきたいところかもしれませんが、なるべく早めに動くことが大切です。
この記事では、留学前にやっておくべきことについて解説していきます。
渡航前に必要な手続き、やっておくべき勉強、日本から持っていくべき物などについて詳しく見ていきましょう。
留学が決まって準備を始める人や、何から始めるべきかわからない人、何を持っていくべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
留学の目的を明確にしておく
1つ目にやるべき事は、留学の目的を明確にしておくことです。
交換留学、語学留学、現地の大学への進学など、さまざまなタイプの留学がありますが、どのような形であれ、留学を通してどんな能力を身につけたいか、どんな自分になりたいか、帰国後は何をしたいかを明確にしておくことが大切です。
例えば交換留学の場合であれば、単位の取得が主な目的となるでしょう。その場合も、事前にどのような講義が開かれているかを確認して、何を学びたくて、そのためにはどんな教授のどんな講義を取るべきかを明確にしておきましょう。
語学留学の場合は、目標が曖昧になりやすいため注意が必要です。
「英語を話せるようになりたい」という曖昧な目標ではなく、どの程度まで話せるようになるかを明確にしましょう。旅行先で困らないレベル、海外でアルバイトができるレベル、外資系企業に就職できるレベルなど、英語学習の目的に合わせたゴール設定をしましょう。客観的に英語力の伸びを測りたい場合には、TOEFLやTOEICスコアを指標とするのもひとつの手段です。
海外の留学に進学する場合は、入学後に専攻を決めていくことも多いでしょう。その場合は、必ずしも渡航前に明確な目標設定をする必要はないかもしれません。
数年間にもわたる留学の場合は、「留学の目標」という漠然としたものではなく、年度ごと、学期ごとといった細かい区切りで目標を立ててみると良いでしょう。
また、どのような留学タイプでも、英語力の向上や単位の習得以外にも目標を持っておくと、より充実した時間を過ごせるかもしれません。
例えば、現地の友人を作る、アルバイトを経験する、クラブやボランティアに参加する、近郊で旅行を楽しむなど、学業以外の目標・目的を見つけてみましょう。そうすることで、人との関わりや興味の範囲が広がり、休日や放課後も有意義に過ごせるでしょう。
現地の学校や生活環境について調べておく
2つ目にやるべきは、現地の学校や生活環境について調べておくことです。現地に到着してから困らないためにも、インターネットを使って、日本にいるうちに調べられる事は可能な限りチェックしておきましょう。
ここからは、具体的にどんなことを調べるべきかについて、詳しく解説していきます。
住む場所の手続きや環境を確認する
まずは、現地で住む場所に関して、どのような手続きが必要なのか、周辺環境はどんなものなのかを確認しましょう。
進学先が決まったら、次にやるべきは寮、ホームステイ、アパートなど、住む場所を決めて事前に申し込んでおくことです。家賃や学校との距離、自分の理想の生活環境などを考慮しながら、住む場所を決めましょう。
住む場所が決まったら、申し込み手続きをします。寮やホームステイの場合であれば、事前に日本からインターネット上で契約を完了できます。
申し込み後には、現地到着後にどんな交通手段で住む場所に行って、どんな手続きを踏んで入居が開始されるのかも調べておきましょう。
また、周辺の環境をGoogleMapなどを使って調べておくことで、現地での生活がイメージしやすくなります。交通アクセスや近郊のスーパー、学校までの距離感などを把握しておくことで、到着後にギャップを感じることも防げます。
なお、寮の場合は、入寮申込書の提出やデポジットの支払いが事前に求められることが多いです。また、大学によっては定員がいっぱいになってしまい希望の寮に入れないことも考えられるため、早め早めに行動しましょう。
ホームステイやアパートでのルームシェアをする場合や、複数人での寮生活をする場合は、日本からの簡単な手土産などの用意もしておくことをおすすめします。
学校のカリキュラムやスケジュールを確認する
進学先が決まったら、学校のカリキュラムのスケジュールについて調べておきましょう。
カリキュラムについては、どんな講義があるのか、どんな講師がいるのか、どんなことを学べるのかをチェックしましょう。
学びたいことに近い講義や、講義への出席条件などを調べることで、慌てることなく時間割を組めるようになります。日本の大学からの交換留学の場合は、単位換算されるのかもよく確認する必要があります。
語学留学の場合は、どんな国からの留学生が多いのか、どんなクラスが開講されているのかを調べておくことで、クラスに馴染みやすくなったり、自分の目的に合った授業を選べたりします。
また、学校で募集されているボランティアや、開催されるクラブなども併せて調べておくことで、休日や放課後も充実させられるでしょう。学校のHPに詳細の記載がなくとも、インスタグラムやTwitterなどで検索すると、詳細情報を見ることができる場合もあります。
なお、海外の大学へ進学する場合などには、学校の年間スケジュールを把握しておくことも大切です。夏休み、冬休みの時期を知っておくことで、一時帰国の予定を立てやすくなります。
その国の文化・習慣について知っておく
3つ目に、留学先の国の文化について知っておくことも大切です。事前に現地の文化や習慣などについて知っておくことで、到着後に日本とのギャップによるストレスを減らすことができます。
特に、留学で初めてその国に行くような場合は、必ず生活習慣や文化についてチェックしておきましょう。
例えば、ヨーロッパならバスタブがない寮が多い、土足で家に上がることが多い、日曜はスーパーをはじめとした小売店・飲食店がクローズすることが多いことなどが、日本との違いとして挙げられます。
授業においては、自分の意見を発信することが重視されること、課題の量が多いことなどが日本の大学との違いとしてあります。
1つ1つは小さなことかもしれませんが、慣れない環境においてこのようなギャップが積み重なると、ストレスに感じてしまうこともあるかもしれません。
事前にこのような文化や習慣、大学での授業の違いを理解しておくことで、心の準備ができ、現地に行ってから戸惑ってしまう可能性を減らすことができます。
英会話表現を覚えておく
留学の前に、現地で使えそうな英会話の表現を覚えておくことも重要です。たとえ英語の習得を目的に語学留学をする場合でも、最低限の英語の表現は覚えておきましょう。
ここからは、具体的にどのような英語表現を覚えていくべきかについて紹介します。
自己紹介をできるようにしておく
まずは、簡単でもいいので自己紹介をできるようにしておきましょう。そうすることで、現地で友達を作りやすくなります。
自分の趣味や専攻、出身地、家族構成、留学の目的などについて話せるようにしておくと、同じような趣味を持った人や同じ境遇の人と友達になりやすいでしょう。
交換留学、学部留学、語学留学など、どのようなタイプの留学であれ、自己紹介をするタイミングはどこかで必ずあります。
特に、留学して間もない頃に自己紹介のタイミングが多く訪れます。緊張しても話せるように、丸ごと暗記していくことがおすすめです。
余裕があれば、相手の自己紹介に対して質問できるように、質問のフレーズもいくつか覚えておくと、話を弾ませやすくなります。
日本について話せるようにする
自己紹介に加えて、日本についても簡単に紹介できるようにしておきましょう。
当然ですが、どこの国に行くにせよ、留学先では「外国人」として受け入れられ「日本人」として扱われます。日常生活の中では、日本の流行や現地との文化の違いを話すことで、話が盛り上がることがあるかもしれません。
また、授業によっては「日本ではどう?」「日本人から見て、どう考える?」などと日本人視点の意見を求められることもあるでしょう。
そのような場合に備え、一般的な日本の文化や歴史などについて学び、簡単にでも英語で説明できるようにしておくことをおすすめします。
わからないことを質問できるようにしておく
わからないことを質問できるようにすることも、留学を通して成長していく上では欠かせません。
日常生活で困ったことがあった場合や、授業で理解できないことがあった場合に質問できる程度の最低限の英語力を身につけておくことが大切です。
おすすめは、質問文をいくつかフレーズとして暗記しておくことです。いくつかの疑問文を覚えておくと、状況によって文中の単語や時制を変えるだけでさまざまなことを尋ねられます。
なお、留学前にしておくべき学習や、具体的な勉強方法については、以下の記事で詳しく解説しています。留学前にどの程度の英語力を身につけておくべきか不安に思う方は、ぜひチェックしてみてください。
関連記事:留学前にどのくらい英語を勉強しておくべき?留学準備と留学中の学習法を解説
健康状態を整えておく
半年以上程度の長期留学の場合は、渡航前に健康状態を整えておくことも大切です。国や海外保険の加入状況によっては、医療費が日本よりも高額になることがあるためです。
もちろん、留学先にも医療機関はあるでしょう。しかし、診療は全て英語で行われるため、医療用語が難解に感じられたり、どのような治療が行われるか理解しきれなかったりと、不安に感じることもあるかもしれません。
なるべく病院に行かずに済むよう、渡航前に健康状態を整えておきましょう。
健康診断を受ける
1つ目は、健康診断を受けることです。
渡航先や大学によっては、健康診断書が求められる場合もあります。
留学先に提出が必要な場合は、英文での診断書に対応してくれるクリニックを探して受けましょう。特に診断書の提示が必要でない場合にも、治療すべきところがないかチェックする意味も兼ねて、渡航前に一度健康診断を受けておくことをおすすめします。
歯科治療を済ませる
2つ目は、歯科治療を済ませておくことです。
その理由は、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなど、留学先としてメジャーな国の多くが、日本よりも歯科治療費が高額に設定されている傾向が見られるためです。
その上、留学中の医療保険では歯科治療がカバーされないケースも多く、現地で歯医者に通うことになった場合には大きな出費になる可能性があります。
また、慣れない地で歯医者に行くことに対する不安もあるでしょう。英語でどこがどう痛いのかを伝えたり、歯の状況や治療法を聞き取ったりすることは、留学生にとっては難しく感じるかもしれません。
現地で歯医者にかかることなく過ごすために、渡航前に歯の治療を済ませておきましょう。
予防接種を受ける
3つ目に行うべきは、予防接種を受けることです。
国によっては、入国するために接種が必須とされているものがあります。予防接種は、新型コロナウイルスのワクチンを含め、いつでも受けられるわけではなく、予約が必要なことも多いです。
また、ワクチンの種類によって複数回接種が必要なものがあったり、接種間隔が数週間必要なものがあったりします。留学が決まったら、余裕を持って予防接種のスケジューリングをしましょう。
また、行く国や留学先の大学によっては、ワクチン接種済の証明書の提示が求められることもあります。英文の証明書の提出が必要な場合は、対応している機関を見つけて接種しましょう。
留学のための事務手続きを済ます
留学のための事務手続きを早めに済ませておくことも、安心して留学をするためには大切です。
ここからは、具体的にどのような事務手続きが必要なのか、どんな書類を用意しておくべきかについて解説します。
ビザ・パスポートを早めに用意
1つ目に用意すべきは、出入国に必須となるビザやパスポートです。
パスポートについては、通常申請から1週間程度で取得できますが、ビザは取得までに日数がかかる場合があります。
行く国や取得するビザタイプにもよりますが、申請のために写真や書類を用意したり、面接が必要だったり、申請できる曜日や日にちが限られていたりすることもあります。
留学が決まったら、なるべく早めにビザ申請の準備に取り掛かりましょう。
住所変更に関する手続きを済ます
2つ目にすべきことは、市役所に海外転出届を提出したり、郵送物の宛先を現地や実家にしたりしておくことです。
海外転出届とは、1年以上の留学をする場合に提出する必要があるものです。
海外転出届を出すことで、留学期間は住民税、国民年金、国民健康保険などの支払い義務がなくなります。渡航の2週間前から、市役所で手続きが可能となります。なお、1年未満の場合は、必ずしも提出が必要なわけではありません。
また、長期留学の場合は自宅を長期間空けることになります。渡航前には、郵便物の宛先を実家や現地などに住所変更しておきましょう。
ただし、数週間〜1ヶ月程度の短期留学の場合には、必ずしも住所変更の手続きは必要ありません。確認すべき郵便物が届く予定がある場合には、家族や親戚に数日おきにチェックしてもらう方法を取っても良いでしょう。
クレジット・キャッシュカードを用意する
3つ目にすべきは、クレジットカードやキャッシュカードの作成です。
国や地域によっては、日本の銀行口座から現金を引き出すことが難しい場合もあります。クレジットカードが1枚あれば、手元に現金がなくとも買い物や移動ができるため、1枚持っておくと良いでしょう。
渡航先までの移動中のトランジットや、休暇中の近隣の国への旅行の際にも、都度その国の通貨に両替する必要がなくなります。
また、両親から仕送りをしてもらう場合などは、日本円を送金して現地通過で引き出せるタイプのプリペイドカードを作成しておくと便利です。
18歳以下で、クレジットカードの作成が難しい場合などには、代替としてプリペイドカードを持っておくことをおすすめします。
スマホのプランを変更する
半年以上の長期留学の場合は、スマホを海外対応プランへ変更しておきましょう。
大手の通信キャリアでは、海外でも電話やネットが利用できるプランを用意しています。渡航前に変更手続きを済ませましょう。
なお、より安く済ませたいという人は、現在契約している日系キャリアのプランを解約して、現地のSIMカードを購入するのも良いでしょう。
データ通信量やサービス内容によって、さまざまなプランが用意されています。多くのケースでは、日本のキャリアの海外プランを利用するよりも、利用料金を安く済ませることができます。
留学先への持っていく物を用意する
渡航日が決まったら、留学先へ持って行く持ち物を用意しましょう。
特に、普段から使っていて、海外では手に入りにくいものは日本から持っていく必要があります。
常備薬
普段から飲み慣れている薬を留学先に持っていきましょう。
胃腸薬や鎮痛剤のなどの常備薬は、同じものを現地で探しても見つけることは難しいです。
同じような名前、成分のものがあっても、よく見ると配合量が異なったり、効きの強さが異なったりということもあります。いざという時に慌てないためにも、普段から飲み慣れている常備薬を少し多めに持っていきましょう。
また、病院で処方されている薬がある場合は、医師に事情を話すことで多めに処方してもらえるケースもあります。薬の種類や病院によって対応は異なりますが、渡航前に一度通院し、相談してみると良いでしょう。
日本食
現地の食生活に慣れない時や、ホームシックになった時に、日本食があると安心感を得られることがあります。
インスタントの味噌汁やパックご飯、お茶漬け、緑茶や麦茶など、長期保存が可能な食品をいくつか持っていくと安心でしょう。
大きな都市や留学生が集まる地域では、和食レストランがあったり、スーパーで日本食を手に入れることができたりするかもしれません。
しかし、日本で購入するよりも高額なケースが多く、必ずしも欲しい商品が揃っているわけでもありません。普段からよく食べている物や、あったら安心できそうな食品は、少量でも持っていくことをおすすめします。
また、自分で食べなかった場合には、現地で出来た友達に日本土産として渡しても喜んでもらえるでしょう。
Wi-Fi
短期留学の場合や、学内や寮でWi -Fiを利用できる場合は、スマホプランの変更をせずにポケットWi-Fiなどを契約して持っていくのも良いでしょう。
Wi-Fiを持てば、プラン変更や解約、再契約などの面倒な手続きをする必要がなくなります。
ただし、プラン変更をせずに電話をかけると高額請求となってしまうケースもあります。料金を気にせずに通話を楽しみたい場合は、LINEやWhatsAppなどのアプリで代替することをおすすめします。
留学準備を万全にして安心して渡航しましょう
ここまで留学前にするべき手続きや準備について紹介してきました。
留学が決まったら、安心して渡航するためにも、なるべく早めに以下のことを準備しておきましょう。
- 留学の目的を明確にしておく
- 現地の学校や生活環境について調べておく
- 英会話表現を覚えておく
- 健康状態を整えておく
- 留学のための事務手続きを済ます
具体的には、現地の学校・環境については以下をポイントにチェックしましょう。
- 住む場所の手続きや環境を確認する
- 学校のカリキュラムやスケジュールを確認する
- その国の文化について知っておく
英会話については、特に以下の事柄について話せるように練習しておきましょう。
- 自己紹介をできるようにしておく
- 日本について話せるようにする
- わからないことを質問できるようにしておく
健康管理について、海外では医療費が高額になるケースもあるため、渡航前に以下の準備をしておきましょう。
- 健康診断を受ける
- 歯科治療を済ませる
- 予防接種を受ける
事務手続きについては、各種書類の発行に時間がかかることもあるため、留学が決まり次第なるべく早めに準備しましょう。
留学する国や期間にもよりますが、主に以下の手続きが必要となります。
- ビザ・パスポートを早めに用意
- 住所変更に関する手続きを済ます
- クレジット・キャッシュカードを用意する
- スマホのプランを変更する
最後に、持ち物については、海外では手に入りにくいものを選んで日本から持っていきましょう。
渡航先や留学期間にもよりますが、以下のアイテムは持っておくと役に立つケースが多いです。
- 常備薬
- 日本食
- Wi-Fi
この記事を参考にしながら、留学の前にやることリストを作ってみることもおすすめです。
やるべきことにチェックマークを付けていくことで、抜け漏れなく準備を完了させましょう。
早め早めに留学準備を進めて、安心して渡航できるようにしてください。