スラッシュリーディングとは、英語のスクリプトに意味のまとまりごとに区切り(=スラッシュ)を入れていくトレーニングです。英語を英語の語順のまま理解することで、英文読解スピードの向上に効果が期待できる学習方法です。この記事では、スラッシュリーディングの概要、効果、正しい実践方法や実践の際の注意点について紹介していきます。それでは、見ていきましょう。
もくじ
スラッシュリーディングとは英文を区切って読むトレーニング
スラッシュリーディングとは、英文のスクリプトに意味のまとまりごとにスラッシュを入れて読んでいくトレーニングです。一文ずつ日本語に訳していくのではなく、区切りを入れて前から順に理解していくことで、英語の語順通りに内容を理解できるようになり、読解速度向上に繋がります。
また、複雑な文章であっても、スラッシュを入れることで構造を把握しやすくなるというメリットもあります。長い文章を短く区切ることで、理解しやすくなるのです。このような特徴から、スラッシュリーディングは特に長文読解に慣れていない、英語学習初心者に向いている学習方法と言えます。
スラッシュリーディングの3つの効果とは
スラッシュリーディングは、大まかに言うと読解速度向上とリスニング力向上に効果があるとされています。より具体的に言うと以下の3つの効果があります。
- 英文の構造を正しく理解できるようになる
- 英文を英語の語順のまま理解し読解速度が向上する
- リスニング力が向上する
まず上述の通り、スラッシュリーディングでは英文にスラッシュを入れながら読んでいきます。そのため、一文が長い複雑な文章であっても、その構造を正しく理解できるようになります。後ほど詳しく紹介しますが、特に関係代名詞や接続詞などで繋がれている文章に区切りを入れることで、意味のまとまりごとに頭を整理しながら内容を理解することができるようになります。
次に、スラッシュリーディングを行うと、英語を英語の語順のまま理解できるようになります。それは、スラッシュを入れることで「一文を綺麗な日本語に訳す」のではなく「スラッシュごとに簡単に訳す」ことに慣れるからです。長文読解では多くの場合、綺麗な日本語に訳することではなく、内容を素早く正しく理解する能力が求められます。英語を英語の語順のまま理解することができると、日本語の語順に直す必要がなくなるため、英語の読解速度が上がります。
最後に、スラッシュリーディングはリスニング力の向上にも期待できます。スラッシュリーディングを行う過程では、音声を使う場面はありません。しかし、「英語を英語の語順のまま理解する」というトレーニングを積むことで、リスニング力もアップします。なぜなら、リスニングでは英語を語順のまま理解する能力が必須だからです。リスニングでは、リーディングのように「一度文章を読み切ってから、再度後ろから日本語に合わせて訳す」ことは許されませんよね。そのため、スラッシュリーディングを行い「前から訳」能力を高めることは、リスニング力の向上にも効果があると言えます。
スラッシュリーディングの正しいやり方を紹介
ここでは、一般的なスラッシュリーディングの方法を紹介します。
- 英文を用意する
- 意味のまとまりで区切り、スラッシュを入れる
非常に簡単に見えますね。難しく感じるポイントは、どこで英文にスラッシュを入れるかという部分でしょう。以下で、区切るべき箇所について詳しく紹介します。
スラッシュリーディングで区切りを入れるべき箇所
はじめに、前提として、スラッシュリーディングにおいて区切るべき箇所は明確に定義づけされ定るわけではありません。区切るべき箇所は個人の英語レベルによって異なります。一般的に初心者は短く区切った方が英文を理解しやすいとされています。主なスラッシュをいれる目安となる箇所は以下となります。
- 前置詞・副詞の前
例①:I was / in the classroom.
例②:You are / already late.
- 関係代名詞の前
例①:This is the town /where I was born.
例②:This is / how I made it.
- 接続詞の前
例①:I like tea / while he likes coffee.
例②:I can't go / because I have a meeting.
- to不定詞の前
例①:I am happy / to meet you.
例②:I decide / to go there.
- , や ; など記号の前後
例①:I heve been to Tokyo, /Osaka / and Hokkaido.
例②:I have a fever ; / I can’t go.
基本的には上記を目安に区切りを入れていきましょう。
英語学習の初心者であれば、長い主語の後や、過去分詞の後で区切ってみるとよりわかりやすくなるかもしれません。もちろん、上級者であれば、より少なく区切って問題ありません。あくまで「自分が英文を理解しやすくなる箇所」を目安に区切りを入れましょう。
スラッシュリーディングを行う際の3つの注意点
ここでは、スラッシュリーディングを実践するにあたって気を付けたい注意点について紹介します。
- 内容を理解できるスクリプトを用意する
- 慣れてきたらスラッシュを入れる間隔を広げる
- スラッシュを入れる箇所で悩みすぎない
まず、スラッシュリーディングの大きな目的は、英文を素早く、正しく理解できるようになることにあります。そのため、自分の英語レベルに合った教材、具体的には一読してある程度内容を理解できるレベルのスクリプトを用意することが大切です。スクリプト内に知らない単語や文法などが多くありすぎると、スラッシュリーディングの本来の目的を達成することが難しくなってしまいます。
次に、英語学習が進むに従い、スラッシュを入れる間隔を広げることも大切です。上述の通り、スラッシュを入れる箇所は明確に定義づけされているわけではありません。最初は前置詞や副詞で区切っていた人も、慣れてくるうちに、スラッシュを引かずとも頭の中で文章を区切れるようになるでしょう。自分の英語レベルに合わせて、徐々にスラッシュの数を減らすように意識してみることも大切です。
最後に、スラッシュリーディングでは区切る箇所で悩みすぎないことが大切です。スラッシュリーディングの目的は、あくまで「素早く、正しく英語を読めるようになること」です。そのため、人によってスラッシュを入れる箇所も異なります。もしも区切った箇所が正しいのかわからない、もしくは自分の英語レベルではどの長さで区切るべきか変わらないという場合には、英語学習のプロに相談してみることもおすすめです。英会話コーチングスクールでは、一人ひとりの英語レベルをチェックした上で、客観的なアドバイスをしてくれます。一度、相談してみてもいいでしょう。
まとめ
ここまで、スラッシュリーディングについて紹介してきました。スラッシュリーディングは、英文のスクリプトに意味のまとまりごとに区切りを入れて読むトレーニングです。スラッシュリーディングを実践するメリットは、英文の構造を正しく理解できるようになること、英文を英語の語順のまま理解することで読解速度が向上すること、それに伴いリスニング力の向上も期待できることにあります。
また、スラッシュリーディングを行う際には、自分の英語力に合った、内容を理解できるスクリプトを用意すること、慣れてきたらスラッシュを入れる間隔を広げること、スラッシュを入れる箇所で悩みすぎないことが大切です。スラッシュを入れる箇所が正しいか不安な場合には、英会話コーチングスクールに相談してみても良いでしょう。この記事を参考に、スラッシュリーディングを実践して英語力アップに役立ててください。