ビジネスからプライベートまで、現代人はとにかく忙しいです。英語学習をしている社会人のなかには、「限られた時間でも学習成果を挙げたい」と思っている方も多いのではないでしょうか。学習効率を高めるためには、ぜひ「第二言語習得研究」の知識をつけることから始めてみてください。
この記事では第二言語習得研究について
- 概要
- メリット
- 英語スクールでの活かされ方
を紹介していきます。
知っているか/知らないかで成長に大きく差のつく分野とも言えます。自身の学習や勉強法に役立ててみましょう。
もくじ
第二言語習得研究とは
第二言語習得研究(Second Language Acquisition Research、SLA)とは、どのようなものなのか解説します。
第二言語を習得するプロセスを研究したもの
第二言語習得研究とは、人々がどのように第二言語(母語以外のもの、外国語など)を習得していくのかをプロセスに分解していくものです。言語学、社会言語学、心理学、神経科学、教育学などがもととなり、1960年代からさまざまな理論が展開されてきた、比較的新しい分野です。研究はチョムスキーの「普遍文法(UG)」が基礎となることが多く、具体的にはクラッシェンの「モニター理論」などがあります。「理解不能な言葉を聞いた時、人間は情報処理できるのか」「インプットした言葉をどのように記憶していくのか」といった不思議を解明しています。
英語学習の分野で活用され始めている
第二言語習得研究は、あくまでも「言語学習のプロセスやメカニズム」を調べたもの。英語学習の分野では、これらをより実践的な学習メソッドに落とし込むことに成功しました。近 年、英語スクールのHPで目にする「科学的根拠をもとにした学習方法」という紹介文は、ほとんどが第二言語習得研究を根拠にしています。もとにしている研究が同じでも、実践できるメソッドに応用すると、スクールの個性が表れてきます。同じ「科学的根拠」でも、英語スクールの学習メソッドは異なってくるのです。
第二言語習得研究はこんな方におすすすめ
第二言語習得研究を知ることは、主に以下のような人におすすめです。
- 英語学習の効果を最大限に上げたい人
- 自分に合った英語学習の方法がなかなか見つからない人
- 自分が納得できる英語スクールを見つけたい人
- 英語や中国語など、これから複数の第二言語を習得する予定の人
自分の頭のメカニズムを理解しておくことは、取り入れた学習方法の「理由」や「目的」を意識することにもつながります。学習方法の理解が進むと、英語講師やカウンセラーに指導される内容を納得しやくなります。自信を持って学習を進められるようになるでしょう。
第二言語習得研究を知るメリット
第二言語習得研究の知識を持つことには、2つのメリットが挙げられます。
勉強効率を高められる
自分の取り組んでいる学習方法について、「本当にこれでいいのかな」と不安に思ったことはありませんか?第二言語習得のメカニズムを知ると、根性論や忍耐力だけに頼らない「もっと効率的な方法」が分かるようになります。コストパフォーマンス高く、短期間で目標達成をすることも夢ではありません学習方法に自信を持つことができ、最新の研究結果で勉強効率を高めることが期待できます。
さまざまな学習分野に応用できる
「第二言語」と包括されていますが、母語以外であれば、第三言語・第四言語でもプロセスを活用できます。日本語を母語としている人の場合は、英語のみならず中国語、フランス語、ロシア語などさまざまな分野に応用可能です。第二言語習得研究を活用して勉強効率を高めれば、トリリンガルやマルチリンガルも目指しやすくなるでしょう。
英語スクールでは第二言語習得研究がどう活かされているか
実際に英語スクールではどのように研究が活かされているのでしょうか。人気急上昇中の英語コーチングスクールをメインに、各々の英語学習の重点の置き方を調べてみました。
プログリット(PROGRIT)の場合
第二言語習得研究を用いてよく言われるのが、「大量のインプットと少量のアウトプットが重要」ということ。プログリット創業者の岡田祥吾氏は、英語学習について以下のように述べています。
会話にフォーカスして考えると、「アウトプット=英会話」「インプット=英会話以外」という分類です。
子どもの言語習得は別のプロセスがありますが、大人が英語を習得したいのであれば、インプットとアウトプットに割く時間の割合を8:2程度にすると、効率は大きく改善されると思います。
(引用:岡田祥吾『英語学習2.0』株式会社KADOKAWA、2019年)
オンライン英会話は、「練習試合」のような感覚で、知識のアウトプット目的で行うべきという考えを持っています。そのため、プログリットでは英会話レッスンは一切提供していません。インプットのための英語学習のスケジュールやモチベーション管理に重点を置き、英語脳を作ることに力を入れています。
プログリット(PROGRIT)の概要
『プログリット(PROGRIT)』は、2ヶ月間でビジネス英会話力を圧倒的に伸ばすことができる英語コーチングスクールです。筆者イチオシのスクールです!なんとサッカー界のレジェンド、本田圭佑氏もプログリットを受講しています。他の英語コーチングスクールとは異なり、英会話レッスンは一切行いません。その代わりに徹底して学習習慣と学習効率を鍛え上げます。英語習得には膨大なインプットが不可欠です。インプットができて初めてアウトプット(英会話)が可能になります。プログリットの英語コーチングで「学習時間×学習効率」の値を最大限に大きくします。
受講形式 | 通学・オンライン |
スクール所在地 | 関東8拠点:有楽町・神田・新宿・六本木・池袋・渋谷・赤坂見附・横浜 中部1拠点:名古屋 関西1拠点:阪急梅田・梅田 |
受講期間 | 2ヶ月~ |
入会金 | 55,000円(税込) |
料金 | 435,600円(税込)~ |
1ヶ月あたり | 180,584円(税込)~ |
講師 | 日本人バイリンガル・一部ネイティブ講師 |
返金の有無 | 30日間全額返金保証 |
給付の有無 | 一般給付金制度あり(最大10万円支給) |
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イングリッシュカンパニー(EINGLISH COMPANY)の場合
イングリッシュカンパニーの岡健作氏は、「既存の学習方法をうまく組み合わせられないこと」が英語教育の混乱の要因のひとつと考えています。
ENGLISH COMPANYで新しいメソッドや考え方を作る際には、これまでの方法をすべて否定した上で、非連続的な、完全に新しい方法を提唱するということはしません。すでにたくさんあるメソッドのうち、科学的な検証を経て、ある学習段階の人にとって効果が出やすいと想定される方法を、個々に組み合わせていくのです。
既存の方法を「自分や周りの人には合わなかった」という理由だけで否定し、ほとんど思い込みに過ぎないような「新しい」方法を主張することや、ある特定の方法を絶対視して他のすべての方法がだめなどというようなことは間違いだと思うのです。
(引用:岡健作『TOEIC®テスト科学的攻略法』株式会社秀和システム、2016年)
イングリッシュカンパニーでは、「読み書きはある程度できる けれど、話したり聞いたりするのは苦手」という社会人のため、英語の「聞く力」「会話力」に重点を置いています。特に英語特有の音声変化のルールを細かく指導します。第二言語習得研究の活用により、ビジネスの現場でも瞬時に使える英語力の習得を目指すことができます。
ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)の概要
『ENGLISH COMPANY』は、科学的なトレーニングと英語学習のコンサルティング(コーチング)で、最短距離で目標達成を目指すための英語コーチングスクールです。ENGLISH COMPANYでは言語習得の科学「第二言語習得研究」の知見を活かしたトレーニングを行います。他英語コーチングスクールが独自に開発しているカリキュラムとは異なります。第二言語習得研究に沿ってあなたの課題を発見し、それに適した学習方法を選択するので、一切の無駄を省いて効率的な学習ができますよ。英語力全体の底上げというよりは、苦手分野(リスニングや発音など)をピンポイントで改善したいという方におすすめのスクールです。
受講形式 | 通学・オンライン |
スクール所在地 | オンライン スタジオ:新宿、銀座、神田、梅田、神戸、四条烏丸 |
受講期間 | 1週間・3ヶ月・6ヶ月 |
入会金 | 全コース共通:55,000円(税込) ENGLISH COMPANY MOBILEのぞく |
料金 | 220,000円(税込)~ |
1ヶ月あたり | 44,000円(税込)~ |
講師 | 日本人バイリンガル |
返金の有無 | コースによって30日返金保証あり |
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第二言語習得研究で英語学習の効率UPにつなげよう
第二言語習得研究は、いま最も注目されている研究分野のひとつです。
今回の記事をまとめると、以下の通りです。
- 第二言語習得研究とは、第二言語の習得プロセスを研究したもの
- 第二言語習得研究の理論を活用して、さまざまな英語スクールで学習メソッドが生み出されている
研究自体は特定の「効率的な勉強法」を提唱するものではありません。しかし、研究理論を把握しておくことで、自身の学習の意味や目的をしっかりと意識することができます。また、自分のレベルに合った学習を見つける手助けにもなります。第二言語習得研究を通して、言語の学習を効率良く進めていきましょう。
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