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【第二言語習得】ロングのインタラクション仮説について解説

【第二言語習得】ロングのインタラクション仮説について解説

第二言語習得研究(SLA)において、多くの言語学者がインプットの重要性について認めています。スティーブン・クラッシェンは、インプット仮説において「理解可能なインプット(自分の言語能力より少しだけ難しいレベルのインプット)」の有用性を主張しました。インプット仮説を認めながら、さらに考察を進めたのがマイケル・ロングのインタラクション仮説です。この記事では、ロングのインタラクション仮説について解説していきます。「インプットの効果が出ていないと感じる」「もっといい学習方法がないか探りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

マイケル・ロングとは?

ロングは、1980年代から言語習得段階におけるコミュニケーションの重要性に着目していました。「インタラクション仮説」の他にも、1988年に「フォーカス・オン・フォーム(Focus on Form、FonF)」という指導概念を提案したことでも知られています。フォーカス・オン・フォームは、コミュニケーションをする中での文法や語彙のつまずきをきっかけに、講義型のように一方的に言語を教える形ではなく相互交流の形を大切にするロングの姿勢は、現代の教育現場にも通じていくものがあります。

インタラクション仮説(相互交流仮説)とは?

インタラクションとは、英語の「 inter(相互に)」と「action(作用)」を合わせた言葉。人がアクションを起こした時に一方的通行にならず、相手のリアクションによって相互交流をすることをいいます。ロングは、このインタラクションが第二言語習得のためのインプットや理解を助けると考えました。

まずはインプットが大切

ロングの仮説の原点には、クラッシェンのインプット仮説があります。クラッシェンは、理解可能なインプット(現在の言語レベルよりわずかに高いインプット)を行うと、言語を自然に習得できると主張しました。学習者の現在の能力レベルが「i」だと記号化すると、理解可能なインプットとは「i+1」にあたります。クラッシェンは、言語習得のためにはインプットが重要で、アウトプットは役に立たないと考えました。

これに対し、ロングはインプットだけでなくインタラクションにも重要性があることを主張しました。確かに言語習得の基本はインプットだと認め、インタラクションを行うことで理解可能なインプットが促進されるというのです。

インタラクションによる効果

インタラクション仮説による研究で、ロングは英語学習者と英語母語話者がお互いに会話したデータを分析しました。その結果、学習者がインタラクションをすることは、理解可能なインプットを増大させると考えました。インタラクションは、意味交渉(negotiation of meaning)をする機会になります。習得中の第二言語で意味を伝えよう・理解しようとする時には、話す速度を緩めたり、違う言葉で伝えようと努力します。この意味交渉のためのさまざまなコミュニケーションのやりとりが、有効だというのです。相互の交流の中では、学習者が対話相手からネガティブなフィードバックを受けることもあります。例えば、相手が自分の話したことを理解していないと感じたり、自分の話した言葉を修正されたりすることがあります。このフィードバックによって、学習者は単なるインプットよりも多くの気づきを得ることができ、第二言語への理解を深めていくことができます。

1994年には、インタラクション仮説の検証をEllis, Tanaka & Yamazakiが行いました。この検証は、母語話者向けに作成されたスクリプトの音読を聞いて、①自由な質問(インタラクション)ができる場合と、➁質問(インタラクション)の機会がない場合の2つを比較したものです。①の方が➁よりもインプットの理解や言葉の意味習得が優位であったという結果が出され、インタラクションの一部効果が認められたこととなりました。しかし、①の学習者の中で、積極的に質問をした学習者と質疑応答を聞いていただけの学習者の間にはインプットの理解や習得に差は見られませんでした。そのため、インタラクションを「自ら行う」とインタラクションを「聞く機会がある」との効果の違いははっきりとしておらず 、まだ研究の余地があるといえそうです。

まとめ:インタラクション仮説は学習の質を高めるヒントになる

ロングのインタラクション仮説について説明してきました。仮説をまとめると以下の通りです。

  • 第二言語習得において、理解可能なインプットが大切である。
  • 理解可能なインプットを促進させるには、インタラクション(相互交流)によって意味交渉にチャレンジしていくことが効果的である。
英語の習得途中で思考錯誤しながら会話することのメリットは、多くの人が感じたことがあるのではないでしょうか?短期間で高い次元の英語習得を達成するためには、適切なインプットを続けながら、誰かとコミュニケーションをとってみることが必要です。「単語帳を眺める」「英文を読む」などのインプットをしているだけではもったいないです。英語習得の半ばであっても、恐れずに人と交流することに挑戦して、パフォーマンスを高める努力をしていきましょう。

英語コーチングスクールで学習効率を高めよう

ロングのインタラクション仮説のみならず、世の中には第二言語習得研究の理論が数多くあります。自分の中である程度の理解をすることはとても大切です。しかし、研究結果を全て網羅するのは大変ですし、多大な労力がかかってしまいます。そこでおすすめしたいのが、第二言語習得研究をベースとして学習メソッドを開発している「英語コーチングスクール」です。英語コーチングスクールは、その学習効率の良さから、第一線で活躍するビジネスマンや芸能人、プロスポーツ選手も多く利用しています。忙しい社会人にぴったりの英語コーチングスクールを3社紹介します。最新の第二言語習得の方法を実践したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

PROGRIT(プログリット)

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TORAIZ(トライズ)

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ENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)

大手の大学予備校を経営するスタディーハッカーが運営している、英語のトレーニングジムです。母体が予備校のため、日本人の英語学習についての実践的ノウハウを豊富に持っています。全レベル対応コースに加え、「初級」~「上級」までの細かなレベル別トレーニングを提供。自分のレベルや目的に合わせてカスタマイズできるのがポイントです。90日間のコースを終えた後の格安サービス(EC prime)もあり、英語学習の継続性を高めることが期待できます。

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