クラッシェンは、「モニターモデル」という理論を1970年代後半から1980年代にかけて確立させました。その中の5つの仮説のひとつが、「自然習得順序仮説(The natural order hypothesis)」です。この記事では、自然習得順序仮説について詳しく解説していきます。「英語の学習方法について見直したい方」「効率よく勉強したい方」は、ぜひクラッシェンの理論を参考にしてみてください。
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もくじ
自然習得順序仮説とは?
自然習得順序仮説は、クラッシェンが提唱したモニターモデルの中のひとつです。
モニターモデルには以下の仮説が含まれています。
自然習得順序仮説は、この中でも特に細かな学習プロセスに踏み込んでいる仮説です。クラッシェンは、人間の言語習得には特定の順序があると提唱しました。
習得には自然な順序があるという仮説
クラッシェンの使う「習得」という言葉は、「子供が大人の会話から母語を学ぶように、純粋で無意識的に言語を身につける」プロセスを指します。自然習得順序仮説では、この習得のプロセスの中では決まった順序があることを説いています。
発想のもとになったのは第一言語習得の研究
クラッシェンの仮説の原点は、ブラウン(Roger Brown)による第一言語習得の研究です。ブラウンは約2年間、幼児を対象として、母語の言語発達の過程をデータ化して研究しました。幼児たちの発音を録音などで記録すると、「現在進行形(~ing)や複数形(s)は、3人称単数現在形(~sや~es)などより早く習得する」といった習得順序の共通性が見受けられました。その後、ドゥーレイ(H.Dulay)とバート(M.Burt)が、第二言語における習得順序について調査しました。彼らは 第二言語にも習得順序があると発見。調査に実証性があることから、クラッシェンの研究のもとになっていきました。
第二言語習得の普遍的な順序について
クラッシェンは、第二言語としての英語の自然な習得順序について、以下のように発表しました。
- 進行形(~ing)、複数形(s)、be動詞
- 助動詞としてのbe動詞、冠詞(at, the)
- 不規則動詞の過去形
- 規則動詞の過去形、3人称単数現在形(s)、所有格(’s)
※不規則動詞の過去形:take → took など
※規則動詞の過去形:visit → visited など
仮説の中では、習得は語学教育の現場で教わる順序とは関係ないという主張もしています。
自然習得順序仮説には否定的な声もある
クラッシェンの分かりやすい習得順序には、その他の言語学者から否定的な意見もあります。クラッシェンは、「普遍的」な順序として仮説を提唱しました。しかし、何かしらの習得順序はあるにせよ、それが普遍的で万人に共通するかというと疑問に思う人もいるようです。
例えば、「子供と大人の年齢や成熟度の違い」「第一言語として何語を習得しているかの違い」が挙げられます。学習者の母語により、習得しようとしている第二言語の難易度や理解のしやすさは確実に変わってくるといえます。例えば、日本人は「○○さん・の」といった所有格があるので、英語習得においても所有格「○○’s」は理解しやすいと予測できます。それに対し、助動詞としてのbe動詞は、英語習得においてつまずいたり、理解が遅かったりする日本人が多いのが現状です。
クラッシェンの掲げる自然習得順序仮説は、確かに一理あるのですが、全世界の言語習得者が納得する「普遍的」な順序の提唱には至りませんでした。
まとめ:自然習得順序仮説は、英語習得の順序を考察するための材料になる
クラッシェンの自然習得順序仮説についてまとめると、以下の通りです。
- 「モニターモデル」に含まれる、5つの仮説の中のひとつである。
- クラッシェンは第二言語の習得には決まった順序があると説いた。
- 自然習得順序仮説は万人に当てはまるとはいえないため、批判の声もある。
確かにクラッシェンの仮説には批判もありますが、現在までの言語学習の順序やテキスト作成に多大な影響を与えてきました。自分の英語学習の段階構造や順序を理解することは、「理解できた所」「理解できていない所」などの学習状況を知ることにつながります。クラッシェンの仮説を参考にして独自のチェックリストや仮説をつくってみると、自身の学習効率を高めることが期待できるでしょう。
第二言語習得研究を活用した英語コーチングスクールを紹介
クラッシェンの自然習得順序仮説のみならず、世の中には第二言語習得研究の理論が数多くあります。自分の中である程度の理解をすることはとても大切です。しかし、研究結果を全て網羅するのは大変ですし、多大な労力がかかってしまいます。そこでおすすめしたいのが、第二言語習得研究をベースとして学習メソッドを開発している「英語コーチングスクール」です。
英語コーチングスクールは、その学習効率の良さから、第一線で活躍するビジネスマンや芸能人、プロスポーツ選手も多く利用しています。忙しい社会人にぴったりの英語コーチングスクールを3社紹介します。最新の第二言語習得の方法を実践したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
PROGRIT(プログリット)
サッカーの本田圭佑氏や水泳の北島康介氏も受講するスクールです。「世界で活躍できる日本人を増やす」ため、元マッキンゼーと元リクルートの2人が創業しました。英会話レッスンは行わず、基本的には自習がメインです。専任コンサルタントが科学的根拠にもとづくカリキュラムを提案し、モチベーション管理をサポートします。学習効率を上げること以外にも、学習時間の捻出などを通して英語習慣を身につけることができます。
プログリット(PROGRIT)の概要
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受講形式 | 通学・オンライン |
スクール所在地 | 関東8拠点:有楽町・神田・新宿・六本木・池袋・渋谷・赤坂見附・横浜 中部1拠点:名古屋 関西1拠点:阪急梅田・梅田 |
受講期間 | 2ヶ月~ |
入会金 | 55,000円(税込) |
料金 | 435,600円(税込)~ |
1ヶ月あたり | 180,584円(税込)~ |
講師 | 日本人バイリンガル・一部ネイティブ講師 |
返金の有無 | 30日間全額返金保証 |
給付の有無 | 一般給付金制度あり(最大10万円支給) |
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TORAIZ(トライズ)
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受講形式 | 通学・オンライン |
スクール所在地 | オンライン 関東:六本木、東京丸の内、日本橋、新宿南口、銀座、横浜西口、法人専用 関西:大阪梅田 中部:名古屋 沖縄:沖縄 |
受講期間 | 6か月・12か月 |
入会金 | 55,000円(税込) |
料金 | 12ヶ月:1,284,100円(税込) |
1ヶ月あたり | 32,300円~(税込) |
講師 | ネイティブ 日本人バイリンガル |
返金の有無 | 受講開始から1ヶ月以内に退会の場合、全額返金(月払いをお選びいただいた場合のみ適用対象外) 上記に加えて 途中解約保証、無料延長保証あり |
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講師 | 日本人バイリンガル |
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